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退職金で不動産投資をするメリットは?老後の資産を賢く運用しましょう

老後に数千万の資金が必要とも言われる近年、退職を控えている方は「退職金を何かに活用して、上手く増やせないか」と考えていることも多いのではないでしょうか。そこで、方法のひとつとして挙げられるのが不動産投資。退職金をまとまった頭金として使えば無理なく投資できる可能性もありそうですが、果たして実態はどうなのでしょうか?メリットや注意点、成功させるコツなどについて詳しく見ていきましょう。

退職金で不動産投資を始めるメリット

まず、気になるのが資金を投じて本当に得するのか?という問題。退職金を不動産投資に充てるメリットとしては以下のようなものが考えられます。

退職金より大きい額を得られる可能性もある

退職金の額は勤め先によって変動しますが、中には「老後の年金を含めても不安が残る」「子世代にもう少し遺したい…」といった方もいるでしょう。不動産投資は毎月の家賃収入だけでなく、最終的には物件を売却して大きなリターンを得られる可能性もあるため、上手くいけば投資額を上回る利益が出るかもしれません。結果的に退職金が増えることもある、というわけですね。

年金以外の収入を得られる

年金収入だけでは生活費に届かないけれど、かといって貯蓄を含めても心もとない、という理由で定年を迎えても働く人は少なくありません。しかし、不動産投資は所有する物件を運用することで安定した収入を得る方法で、いわゆる不労所得が見込めます。管理会社に任せれば手間もほぼ不要ですから、貯蓄をなるべく減らしたくない方にとっても安心感を得られるでしょう。

老後2,000万円問題に充てられる

近年、老後不自由なく暮らすには2,000万円の資金が必要だと言われるようになりました。とはいえ子育てや教育資金、住宅ローン等様々な事情でそこまで貯金できなかった、もしくはできる見込みがないという方も多いと思います。さらにはインフレ時代では、2,000万円でも不足するかもしれません。不動産投資はそういった場合に、老後資金を増やせる方法としても心強い存在です。

相続の際の節税対策になる

下の世代に財産を受け継がせる場合、現金より不動産の方が相続税は安くなります。また、賃貸用不動産は他人に貸し出すという名目から所有者が自由に使えない物件と見なされるため、相続税評価額が下がりやすく、より大きな節税対策になる可能性も。

退職金での不動産投資に伴うリスクと注意点

このように、退職金での不動産投資には様々なメリットが存在します。一方でマイナス面や注意しておかなければならない点もありますので、押さえておきましょう。

生活費を圧迫する可能性がある

不動産投資は初期費用が高額になりやすいため、退職金でまかなえない場合はローンを組むことになります。空室等により家賃収入が見込めない場合や、思わぬ修繕費が必要となった場合など、生活費が圧迫される恐れがあるので、注意が必要です。また、退職金を他の支払いに充てるつもりだった方も不動産投資によって予定が狂うことになりますから、よく考えておきましょう。

ローンの審査が通らない場合もある

一括で支払えないケースではローンを活用することになりますが、これは事前に「返済能力」を審査されます。勤め先を退職してしまうと安定収入を証明しにくくなるため、不動産投資を理由には審査が通らない恐れもあるでしょう。銀行から融資を受ける際には専門業者等に相談し、適切なローンが存在するか調べてみるのがおすすめです。

市場の変動リスク

不動産投資は安定収入が期待できるものではありますが、その収益が数十年後も担保されるとは限りません。退職後の20年間の生活費を補填したい、次世代に遺せる財産にしたい…などと想定していても、エリア自体の環境が変化して需要が減少したり、市場の変動で物件の価値が下がったり、金利変動で返済額が厳しくなったりといったリスクが存在するのです。
また、自身が既に高齢である場合、万が一の事故や病気に備えておかなければならないという事情もあるでしょう。その点もふまえ、ギリギリの資金で投資するのではなく無理のない範囲で、低リスクな不動産投資を検討することも大事だと言えます。

退職金を使ったおすすめの不動産投資先

退職後の不動産投資にはメリットと同様に注意点もあるため、できる限りリスクを軽減できる物件を選ぶのがおすすめです。では、どのような特徴を持つ物件が該当するのでしょうか?

ワンルームマンション

まず、代表的なのがワンルームマンション投資。これはマンションの中の一室を購入し、そこを入居者に貸し出して家賃収入を得るというものです。ひと部屋だけで済むので初期費用が安く、退職金の額によってはローンなしで一括購入できる可能性もあります。管理も簡単ですし、人気エリアの物件であれば賃貸需要が高いのもメリットだと言えるでしょう。

ただし、ひと部屋からしか賃料収入が得られないのがデメリット。空き室になると収益がゼロになるリスクもあるため、資金的に可能であれば複数購入で分散投資を行うなど工夫してみてください。

ファミリーマンション

もうひとつは一般的に2LDK以上のファミリーマンション。部屋数があり、かつ広いため賃料を上げやすく、家賃収入が高くなりやすいのがメリットです。また、単身者や学生に比べて引っ越しのハードルが高いからこそひとつの物件に長く住む家族が多く、長期的に安定した入居者が見込めるのも長所だと言えます。

ただし、ファミリーマンションはひと部屋であってもワンルームマンションに比べると初期費用が高くなりやすい点に注意。設備が充実している分管理も複雑になりますから、管理会社に任せるなど全体的にコストがかさむ恐れがあります。

不動産投資を成功させるための5つのポイント

最後に、退職後に限らず不動産投資を成功させるためのポイントについて知っておきましょう。

十分な事前調査と情報収集をする

まず、不動産投資において一番重要とも言えるのが「リサーチ」です。どこの物件を購入するか、狙っているエリアにはどのような物件があるか、今どんな物件が求められているかといった市場調査を入念に行いましょう。可能な限り実際に現場を見に行って、周辺環境等をチェックするのもおすすめです。

専門家に相談をしてアドバイスを受ける

とはいえ初心者の場合、どのエリアを選ぶべきか?からつまずいてしまう恐れもあります。不動産投資は専門的に仲介を担ってくれる業者も数多く存在するため、身近で探し一度相談してみるのが良いでしょう。条件に合った物件探しや内覧、手続き関係まで、幅広くサポートしてくれますよ。また、資金面や税金面など分からない点が限られているのであれば、個別の税理士や行政書士、ファイナンシャルプランナーに頼ることも検討してみてください。

長期的な視点での投資計画を立てる

投資と言われるとつい目先の利益に飛びついてしまいがちですが、不動産投資はコストがかかるからこそ「中・長期的な目線」で計画を立てる必要があります。初期投資を回収するまでには最低でも数年かかりますから、まずはリスクを回避し、安定した利益を得ることを優先しましょう。利回りは表面利回りではなく、経費を含めた実質利回りまで確認することが大切です。

適切な物件選びと管理会社を選定する

物件選びの際に重きを置くべきなのが「立地」。どんなに広くて眺めのよい魅力的な物件であっても、賃貸需要が少ない地域だと空き室リスクが高まります。学生が多い場所やビジネス街、都市部のベッドタウンなど賃貸への入居を希望する人が多く見込まれる場所を探しましょう。また、管理会社に依頼する場合は事務作業から清掃、メンテナンスまでしっかり支えてくれる、信頼できるパートナーを吟味することが重要です。

定期的な見直しをして柔軟に対応する

不動産会社や管理会社などフォローしてくれる専門業者はあっても、やはり運用については自力で考えなければならない面もあります。特に不動産投資は市場の変動や予想外の自然災害、故障などによるコストの増加なども予想されるので、定期的に現状を見直し、その都度柔軟に対応していきましょう。

この記事の監修者情報

西山 和成 Nishiyama Kazunari

  • 株式会社ユーミーホールディングス 常務取締役
  • 株式会社丸山アーバン 代表取締役社長
  • 株式会社湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム 代表取締役
  • 日本PFIインベストメント株式会社 代表取締役
  • 株式会社marukan 取締役

経歴
1990年(平成2年)ユーミーらいふグループの株式会社丸山工務所に入社以来、資産家・富裕層などの不動産有効活用や売買、資産運用などのアセットマネジメントをはじめ、等価交換事業・不動産 の証券化事業・不動産特定共同事業などの不動産ソリューション事業及びPPP/PFI事業におけるプロジェクトマネジメントに携わる。

保有資格
宅地建物取引士