Media
メディア

不動産投資の物件選びで注目すべき4つの条件と優先順位

不動産投資 物件選び 条件

「不動産投資に成功する物件選び」と聞くと、多くの方が重要視するポイントは次の4つに大きくまとめられます。

 

  • 立地(首都圏など)や駅徒歩圏内(10分以内など)
  • 新築または築浅
  • 表面利回り10%以上
  • フルローンが組めるかどうか

 

確かに以前は、すべての条件を満たす物件が存在していましたが、不動産投資が盛んな影響もあり、地方の物件以外は全ての条件を満たす理想的な物件は存在しなくなりました。

つまり、存在しない限り、購入はできません。

また、多少条件が異なっても4つの理想の条件が頭に残っていて、あれこれ考えているうちに別の方に物件を購入されてしまうということも数多くあります。

特に人気のエリアや物件では「購入する・しない」の判断をする時間との勝負でもあります。

結果として不動産投資ができず、後で「購入しておけばよかった」と後悔される方もいるのではないでしょうか?

それでも不動産投資を実現させたいと思う方は、どうすれば不動産投資が実現できるのか?

不動産投資を実現するためには、4つの条件の中で優先すべき条件と妥協すべき条件と鵜呑みにしてはいけない条件があるのです。

 

【優先すべき条件】
 立地


【妥協しても良い条件】
 フルローンが組めるかどうか
新築物件や築浅物件かどうか


鵜呑みにしてはいけない条件】
 表面利回り

 

といった具合です。

とはいえ、物件によって変わってきますので、それぞれ詳しく説明します。

後悔しないためにも事前に物件選びで優先すべき事項を整理しておくことで、不動産投資が実現できるようになるのです。

 

4つある理想の内、3つを満たす物件ならば良いか?

少し妥協して(条件を緩めて)、4つの内、どれか3つの条件を満たす物件ならば不動産投資に失敗しないのか?という考えになるかもしれません。

しかし、それだけではNGです。

どこを妥協して良いのかも、不動産1つ1つに特性があるので、その基準だけでの判断はリスクがあります。

例えば、立地以外の3つの条件を満たすならば良いか?と考えた場合、それは地方の物件という事になります。

ダメとは言いませんが、立地というのは重要な要素であり、あまりにも地方の物件ならば表面利回りを12%や15%以上にすることや、駅徒歩圏の条件維持もしくは駅徒歩5分以内にするなど、物件選び基準のハードルを上げることが必要です。

 

物件選びにおいて重要な4つの条件の中で最も重要視するべき条件は?

4つの条件の中で、妥協してはいけない要素は「立地」です。一度手に入れると変更できないものが「立地」という要素だからです。

ただし、ここで言う立地とは、首都圏という大きなエリアではなく、もっと細分化した地域での価値(将来性)を見極めることが重要です。

また、駅徒歩圏(10分以内)ならば何でもOKということではありません。

例えば、駅から同じ徒歩圏でも北口と南口では街並みや発展が異なる場合があります。駅を挟んで旧市街地と新市街地のような関係で、区画整理や再開発などが実施された方が、今後発展していくと推測できます。

また、平坦な地形とアップダウンの激しい地形では、平坦な地形の方が建物も立てやすく、人の流れもスムーズになりやすいので、街が開けているケースが多いと言えます。

当然、入居者も街並みが発展していく方に人気が高まり、また歩きやすい平坦な方が良いため、同じ駅からの距離でも家賃設定に差が出る可能性があるのです。

もう一つ、騒音や悪臭などの環境に悪影響を及ぼすものや、風俗・遊興・宗教・暴力団系の施設や事務所近くに隣接した物件も入居者に人気がない可能性があります。特に、そのような施設や事務所にバルコニーが向いている物件は、入居者にとっての生活環境が良いとは言い切れないので、必然的に人気がない物件となる可能性があるのです。

駅からの距離だけではなく、アパート・マンションによる不動産投資ならば、入居者の居住環境というものを最優先して立地の良し悪しを判断することが重要です。

 

立地と利回りの関係と見極めるポイント

立地が良い物件は利回りが低くなります。なぜなら価値があるからです。

ただし、注意するポイントとしては、物件を買う人(投資する人)に人気があるエリアと、実際に建物に暮らす人(入居者)に人気があるエリアとは異なる場合があるという事です。

駅徒歩圏というカテゴリーを重視すると不動産投資をする方には人気のエリアとなり、価格が上がってしまっているのです。俗に言う相場が上がってしまうのです。

しかし、ちょっと駅からはなれただけで、投資家からは人気がなくなり価格が上昇していないエリアでありながら、駅近物件と家賃がほぼ変わらないという場所もあるのです。

例えば、駅近で商店や飲食店が多く軒を連ねており、人の賑わいがあるようなエリアは、利便性は高いのですが生活環境という面ではマイナスと感じる方もいます。

一方で、最近は郊外に大型店舗やコンビニなどが進出しており、駅から少し離れた郊外の方が住環境もよく、利便性の高い場所もあります。駅から少し離れているので家賃も抑えられ、車を所有している入居者ならば駐車場料金も低くなり、メリットもあります。

住環境も良く、駅へのアクセスはちょっと数分多く歩く、もしくは自転車、バス停が近ければバス利用もできるエリアであれば、逆に駅近よりも良い立地と言えるのではないでしょうか。通勤にはちょっと早起きすれば良いだけなので、大きなデメリットとは言い切れないのです。

このような立地の物件は、駅近物件よりも利回りが高い可能性があり、入居者に人気があるエリアであれば、将来性を考えても資産価値(土地等の価格)が下落しにくい場所であるとも言えます。投資を検討する物件の立地としては、最適です。

不動産投資は、賃貸経営です。物件を取得することがゴールではなく、物件を取得してからがスタートです。つまり、継続的に入居者に喜ばれる物件であることが重要なので、駅近か郊外かではなく、入居者に選ばれる立地なのかどうかで判断すべきです。

少子高齢化により人口減少問題がある中で、人の住まいに関するニーズも多様化しています。これからは単に駅近という視点だけではなく、「人が暮らす」というニーズを理解し、そのニーズが高い立地を選択することが不動産投資成功のカギになってきます。

 

最初に諦めるべき条件は?

フルローンです。ご自身の資産背景がある場合は別ですが、完全にフルローンでの資金調達は厳しいと言えます。と言いますか、そもそもフルローンを期待した不動産投資はやめた方が良いのです。

なぜならば、不動産投資は収支計画が重要です。確実に借り入れの返済ができる状態にしておくことが重要です。

借り入れが多ければ、家賃の下落や空室率の増加により家賃収入が少なくなります。金利上昇などにより借り入れ返済額が増加することで、収支計画が悪化する可能性もあります。これらは不動産投資のリスクです。

家賃収入や減ることや返済額が増えることにより、借り入れ返済ができなくなれば、給与等からの返済をしていかなければなりません。生活が行き詰ることも起こり得るという事です。当然「不動産投資に失敗した」という結末です。

特に初めて不動産投資を行うのであれば、このような事態を避けなければなりません。これは、借り入れに依存しすぎない不動産投資をすれば解決できる問題(リスク)です。

仮にフルローンで不動産投資が可能だとしても、自己資金は準備しておくことが必要です。

まず、銀行融資を受ける際には、物件の担保評価というものがあります。これは銀行が融資をする際の物件価格を査定し、物件を担保にその金額まで融資するという評価です。

一般的に新築・築浅物件の場合、銀行融資の担保評価は現在の物件価格(市場価格)の70%や80%相当になり、物件価格よりも融資額が少なくなります。これは、不動産取引が盛んなこともあり、不動産投資に人気のあるエリアの物件価格が上昇したためです。

その分、追加で担保提供できる不動産を所有していれば良いのですが、初めて不動産投資を行う方には、ご自宅以外は不動産を所有していない方がほとんどです。

ご自宅も融資を受けて取得している場合には、担保評価としての余力がない可能性があるため、追加担保としての価値は低いでしょう。よって、担保評価が不足する分は金融資産としての預貯金や一部自己資金を投入する必要があるのです。

物件を取得した後の賃貸経営という視点からも、一部自己資金を投入することで借入総額を低減でき、月々の返済額が少なくなるため、賃貸経営の安全性が高まります。

ある程度の自己資金を確保し、その自己資金で買える範囲の物件規模を選択する必要があるため、そもそも全額銀行から借り入れるという選択肢は外しておいた方が良いでしょう。

担保評価を判断する一つの目安として、毎年国税庁が公表している路線価というものがあります。路線価とは、土地の前面道路に1㎡当たりの千円単位での金額が記載されています。この路線価と物件の土地代金を比較し、著しく土地代金が高い場合は、担保評価と実勢価格の差が大きくなります。特に、不動産投資が盛んになり物件価格が上昇している市場では、担保評価よりも実勢価格が高くなるのです。

つまり、人気のエリアや物件は基本的にフルローンでは購入できないという事になります。仮にフルローンが可能な物件があったならば、それは銀行評価よりも価格が低めの物件です。

では、フルローン可能な物件は地方にしか存在しないのではないでしょうか?答えは、存在してはいますがフルローンを理解していないとこの後記述するような災難に見まわれてしまいます。安くなければ売れない(人気がない)物件だから、担保評価よりも安くなるのです。

仮にフルローンが可能な物件でも、返済比率(家賃収入に対する返済額の割合)を50%以下にしておく、あるいはすることができる自己資金があるという基準を設けておくことも必要です。家賃の下落や空室率の増加でも返済ができない状況を回避するためにです。

物件購入に必要な費用の内、少なくとも20~30%の自己資金を目安として準備しておくことが理想です。

 

不動産投資でフルローンは組める?銀行融資の注意点を解説

 

不動産投資の最適な返済比率は50%以下!シミュレーションで徹底解説

 

フルローンにこだわった結果、降りかかる災難の事例

意外と多いのは、高額所得者や多くの資産を所有している方には、フルローンが可能となるケースがあります。これは、物件単体の評価+ご本人の資産背景も加味されるからです。

そして、フルローンを優先するあまり、数百万円程度の自己資金相当の融資不足分は消費者金融系やノンバンク系での融資を利用する方も見受けられますが、絶対にやめてください。

この不動産投資が最後とし、銀行融資は使わないというお考えの方は問題ありませんが、最近の事例では、この資金調達の方法により、2棟目などの物件買い増しや、融資の借り換えができなくなっているケースが見受けられます。

なぜなら、ご本人の与信が傷ついてしまっているのです。与信とは、あなたご自身の信用度であり、物件の評価や価値の前に重要な審査基準です。銀行はこの与信により融資をする・しないはもちろん、いくらまで融資できるか?を判断します。

銀行は「この人は消費者金融に頼らなければ生活ができないほどの浪費家なのか?」などという、ネガティブなイメージを持たれてしまいかねません。不動産投資は事業ですから、賃貸経営の経営者として「事業に失敗する可能性が高い経営者」として見られてしまうため、融資をしてもらえなくなるのです。

ちなみに、高額所得者でも預金残高が少ないと、浪費家と見なされるケースもあります。預金が不動産などの資産になっているのであれば問題ないのですが、そうでない理由で預金残高が少ないと、与信が低く見られてしまいます。

一方で、コツコツと貯金をされている方は与信を高く評価してもらえるケースがあります。不動産投資をしても、収入を浪費せず堅実に事業をされるというプラスの評価につながるのです。

 

  【あなたの与信を高める方法】

  • わずかでも消費者金融系やノンバンク系での融資を利用しない
  • 預金残高は日頃から高める
  • 少額でもコツコツ貯金する

 

「フルローン」の次に妥協を考えるべき条件は?

新築・築浅という条件を妥協すると、中古物件も選択肢に入ります。

中古物件で適切に修繕が実施されている物件であれば、物件取得後に想定外の修繕費用などが必要なくなります。不動産投資の物件選びで選択肢が広がることにもなります。

更に、中古物件は新築・築浅物件と比較すると、利回りが良いケースが多く、利回りが良いという事は、物件価格も低いことになり、フルローンの可能性も出てきます。フルローンを優先するならば、新築・築浅という条件を外し、市場価格のあまり高騰していないエリアを選択すれば可能性が高まります。

ただし、フルローンが可能でも、融資の借入年数が短くなる可能性がありますので、必ずキャッシュフロー(収支)を確認した上で判断することが重要です。

 

鵜呑みにしてはいけない条件は?

鵜呑みにしてはいけない条件は「表面利回り」です。

表面利回りについては、高ければ高いほど良い物件と見なされますが、実際に重視していただきたいのは実質利回りです。併せて重要視するのはキャッシュフロー(収支)です。

特に、適切な自己資金が準備できていれば、少々利回りが低くても銀行借入による返済額が低減され、キャッシュフロー(収支)が維持できます。つまり、資金繰りが安定します。

一方で、表面利回りが高くても空室が多かったり、修繕費が多く必要になるなど、実際の収支が悪い物件も存在します。物件の良し悪しは、表面利回りの高さではなく、実際のキャッシュフロー(収支)で判断しましょう。

表面利回り5%の物件でも、実質利回りやキャッシュフロー(収支)、そして将来の資産価値等を正しく分析すれば、問題ないケースもあるのです。

利回りの高さに振り回されるな!失敗例から学ぶ物件の見極め方 

 

不動産投資の物件選びで注目すべき4つの条件と優先順位【まとめ】

不動産投資を成功させるためにも、

  • 立地(首都圏など)や駅徒歩圏内(10分以内など)
  • 新築または築浅
  • 表面利回り10%以上
  • フルローンが組めるかどうか

などの、立地・築年数・利回り・資金調達という要素は重要です。

しかし、不動産投資が盛んな状況では、4つの理想的な条件すべて満たす物件は存在しないため、不動産投資が実現できない方は条件を少し見直す必要があります。4つの理想的な条件がそろわなければ、不動産投資に失敗するという事ではありません。

そして、物件を選んで購入するという決断をしない限りは不動産投資を実現することはできません。更に、人気エリア・人気物件では、速やかな判断をしなければ他の方が購入してしまいます。

不動産投資を行うご自身の基準や目線を設けておくことが、「買う・買わない」の判断が早期にでき、不動産投資を実現できるポイントでもあります。そのためにも、不動産投資による賃貸事業・経営をしっかりと理解しておくことが重要です。

一方で、サラリーマンの方が本気で賃貸経営・事業を完全に理解することは不可能です。

なぜなら、仕事をしながら完全に理解できるほど簡単なものではなく、更にプロの業者でも失敗することはあるのです。

よって、ある程度の勉強や理解をすることは大切ですが、ご自身でなんでも判断するのではなく、相談できる業者やアドバイザーなどの良きパートナーを見つけることが最終的には不動産投資を実現し、成功させる近道です。

その中で、ご自身で確認しておきたい項目は「融資枠」、つまり「いくら借りられるか?」です。

買える金額の良質な物件を紹介してもらえれば、物件購入の判断が速やかに行えますので、金融機関から「どのくらい借りられるのか?」だけは事前に把握しておくことをお勧めします。