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なぜ経営者は不動産投資を行うのか|5つのメリットを紹介

不動産投資 経営者 メリット

経営者の年収や保有資産は、一般の会社員と比べると大きい傾向にあることから、節税・相続税対策として不動産投資を検討している方も多いのではないでしょうか。実際、不動産賃貸事業を経営すると損益通算により所得税や住民税を節税することができ、相続税評価額も下げられるため相続税の節税対策にもなります。

今回は経営者の方のために、不動産投資を活用した税制上の5つのメリットをわかりやすくご紹介します。不動産投資事業の開始を検討する資料としてぜひご活用してください。

メリット1 節税になる(所得税・住民税)

不動産賃貸事業を始めると、家賃などの収入から必要経費を差し引いて所得を算出することになります。収入から必要経費を差し引いた不動産所得は、他の給与所得や事業所得と合算され所得税・住民税が算出されるため、不動産所得が赤字の場合には合計所得が下がり、給与などから源泉徴収された税金が還付されることになります。

1-1 減価償却を活用して所得税・住民税を抑える

また減価償却費を計上すれば帳簿上の不動産所得をマイナスにして税金を安くし、なおかつ現金収入が一定額入ってくるように調整することも可能です。

不動産投資における収入・経費・所得


建物は年数が経過するごとに価値が減っていくと考えられているため、価値の目減り分を複数年に分けて経費として計上することができます(=減価償却)。ただし経費であっても実際には現金支出がありません。そのため不動産賃貸事業で減価償却費を差し引いた後の帳簿上の不動産所得をマイナスにし、給与所得と合算することにより総所得を減らせば、一定のキャッシュフロー(現金)を確保することができます。

1-2 節税するためのポイント

不動産投資で節税するためのポイントは、毎年の必要経費を増やして不動産所得をマイナスにすることですが、次の4つの注意点に気をつける必要があります。

①減価償却費を大きくする

減価償却費が大きい物件であることが一番のポイントです。減価償却のもとになるのは建物の資産価値です。減価償却は、物件全体の資産価値の中で建物分の比率が高いほうが有利になります。例えば木造アパートに比べて鉄筋コンクリート製マンションのほうが建築費は高く、その分建物の資産価値も大きくなります。さらにマンションは高層階構造で土地に対する建物価値の割合が高く、耐用年数も長いため償却期間が長くとることができます。

②借入金の金利は経費化できる

不動産投資用のために融資を受けた場合、賃貸経営開始後に支払った借入金の金利分は必要経費になります。そのため不動産投資を自己資金のみで賄える場合でも、あえて借入することで不動産所得を引き下げることができるとともに、現金を手元に残せます。ただし、借入金の金利は、借入額や返済期間などの条件により変わってきますので、収支(キャッシュフロー)を加味しながら金融機関と調整することが大切です。

③修繕積立金を利用する

個人で将来の大規模修繕用に預金を毎月積み立てても必要経費にできませんが、ワンルーム投資などの区分所有では、マンション管理組合の規約に基づいて支払う修繕積立金を必要経費として計上することができます。

④シミュレーションをする

本当に節税につながるかどうかは何度も収支計算のシミュレーションをすることが大切です。減価償却費を含む必要経費を差し引いた不動産所得をマイナスにし、減価償却費分を加え戻すとプラスになるようにシミュレーションを行い、物件選びをしてください。確かに所得税や住民税は減ったけど、収支(キャッシュフロー)もマイナスになっては節税対策の意味がないからです。

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メリット2 相続税の節税対策になる

「不動産は相続税対策になる」と一度は耳にしたことがあると思います。まずは不動産がなぜ相続税対策として有効になるのかを見ていきましょう。

不動産は「土地」と「建物」に分けられ、それぞれ相続財産の評価額にもとづいて相続税が算出されることになっています。

①土地

土地の評価額の算出には、市街地では「路線価方式」、市街地以外では「倍率方式」が用いられます。土地の評価額は、地価公示価格の7~8割程度に下がります。また、その土地に建っている家を賃貸に出している場合、評価額はさらに2割程度低くなります。さらに、被相続人のあとを継いで相続人が賃貸経営を続ける場合には、さらに評価額が低くなる「小規模宅地等の特例」の適用を受けることもできます。(貸付事業用宅地の特例:賃貸アパートやマンション等の「不動産貸付事業のために使用している土地」については200㎡まで50%評価を減額する特例です。)

②建物

建物の評価額の算出には、「固定資産税評価額」が用いられ、建物の評価額は建築費用の6~7割程度に下がります。また、その建物を貸している場合、評価額はさらに3割程度減少します。

以上の評価額に対して相続税の税率がかけられ相続税額が算出されるため、土地・建物の評価額が大幅に下がる不動産投資は、相続税対策として大きな効果が見込めるわけです。ただし、投資用物件の取得や売却時期が相続発生日と非常に近いなど、あまりに露骨に行ってしまうと税務署に「租税回避」と受け取られる可能性もあるため、注意が必要です。

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メリット3 社宅として活用

投資用物件は社宅としても利用することができます。

3-1 社員の福利厚生を充実させる

労働力不足が深刻化する今後の会社経営では、優秀な人材の安定的な確保が課題となることが予想されます。そのためには、労働条件や職場環境の改善に加え、福利厚生を充実させることも有効な手段となり得ます。

家賃は生活費に占めるウェイトが大きいことから、社員にとっても住宅関係費の補助は満足度の高い施策と言えます。しかし従業員用の社宅を設置できるのはごく一部の大企業に限られ、多くは住宅手当や家賃補助などの金銭的給付に止まっているのが現状です。

しかし、家賃補助が給与に上乗せされると、従業員は所得税や住民税などが増えてしまい、手取り額が少なくなる可能性があります。

そこで、投資用物件を従業員用の社宅として活用すれば、福利厚生面で大きな改善を図ることができます。

3-2 投資用物件を社宅利用するメリット

することは、経営者(オーナー)側、社員側双方にメリットがあります。例えば、社宅の住所を職場から手頃な距離に設置し、家賃も社員の家計に負担とならないよう低めに抑えると、不動産投資事業で大きな収益が上がらない場合でも、住宅手当などの経費負担に比べればトータルで大きなメリットとなります。

福利厚生を充実させることで優秀な人材を確保するとともに、社員のモチベーションアップも期待でき、本業の業績向上に繋げることが可能です。

【経営者(オーナー)側のメリット】

・ 手頃な家賃の社宅を提供することで、優秀な人材を確保することができる

・ 社員の働く意欲を高め、会社の業績向上に繋がる

・ 一般的なマンション経営とは異なり、入居者の素性や経歴もよくわかっている

・ 家賃滞納の心配がない

・ 安定的な経営が可能

【社員側のメリット】

・ 家賃が安い

・ 自分で住宅を探す手間を省ける

・ 職場までの距離が近い

メリット4 本業の業績アップに繋がる

すべての経営者の方に当てはまるわけではありませんが、不動産賃貸業を本業に活用するメリットも大きいと言えます。

例えば、あなたの会社における現在の本業が不動産に関連する業種・職種の場合、不動産投資で必要となる様々な業務について、外部に発注することなく自社内で対応することができます。

①本業が工務店・建設業の場合

物件新築時・修繕時の建築工事、修繕工事

②本業がリフォーム業・電気店・建具業の場合

物件新築時・リフォーム時の室内装飾・リフォーム工事、電気配線工事、エアコン・照明器具・建具・畳などの販売・設置

③本業が水道工事業の場合

物件新築時や水漏れ時の配管工事、補修工事

管理会社に委託している集金や日常的な点検業務の一部を自社で行うことをはじめ、ほかにも物件の新築、維持管理の業務のうち、あなたの会社が専門としている分野は自社で請け負うこともできるでしょう。

すべての業種に当てはまるわけではないですが、このように不動産賃貸事業に付帯する業務を本業に活用すると、外部発注に比べ中間業者などを排除した有利な価格で施工することができ、工事やリフォームのスケジュールの都合もつけやすく、会社の業績アップも期待することができます。

また、不動産賃貸事業を通じて、会社の新たな事業展開や安定収益の基盤へと発展させることも考えられます。

ただし、大企業の場合、工事の見積金額や商品の販売価格などは経営者の一存で決定できるわけではなく、工事受注の是非についても通常、組織的に決定します。そのため上記のようなケースは、個人経営や家族経営のような中・小規模の事業経営者の場合に有効的な方法と言えます。

メリット5 会社経営で培った経験を生かせる

不動産投資は同じ投資でも株やFXと異なり、経営感覚が必要とされる事業のひとつです。そのため、経営者であるあなたが不動産投資を行う場合には、会社経営で培った経験を生かし、有利に進めることも期待できます。

不動産投資で成功するには、不動産市況や少子高齢化、地方の過疎化などの経済・社会の情勢を把握した上で、入居者ニーズを的確に捉えて経営を進める必要があります。また、キャッシュフローの確保や節税などの財務・経理的な素養も欠かせません。さらに物件売却を含めた出口戦略では、なるべく高く売却する方法や税務対策などのノウハウも必要となります。このように、不動産投資の賃貸事業をうまく進めていくには、オーナーに一定の経営感覚が要求されるため、これまで事業を経営したことがない方と比べて経験がある方のほうが、必要な素養を備えていると言えます。

経営者は、その時代の世相を睨みながら消費者ニーズをとらえ、社員をまとめ上げて会社の業績を向上させていく責任があります。事業を経営する過程で身につけた経営感覚や経験は、不動産投資を成功に導くための頼もしい武器となるでしょう。

注意点

会社の評価が自分の評価

注意したいのは融資の審査です。大企業の経営者であれば問題ありませんが、中小企業の経営者の場合には金融機関の融資を利用する際の審査で不利になる場合があります。

融資の審査では、一般的に会社の直近3年間の業績を見られることとなり、金融関係との取引状況や融資姿勢により一概には言えませんが、黒字であることは融資審査通過の必須要件です。さらに業績が右肩上がりとなっていることが望ましいので、経営する会社の状況によっては融資が受けられない可能性があります。

もし、あなたが不動産投資を考えている経営者であれば、会社の業績は黒字に保ち、きちんと納税をしていくという観点も必要です。

不動産投資をはじめるベストタイミング

業績が悪化してから慌てて不動産投資をしようとしても、金融機関から融資を受けることが困難になります。融資を受けるためにも、会社の経営状況の良い時が不動産投資を始めるベストタイミングです。

「本業は順調だし、不動産投資に費やしている時間はない」という経営者は、チャンスを逃しているかもしれません。順調に利益が得られていれば金融機関の融資が受けやすく、経営者の報酬が大きければ損益通算で節税できる額も大きくなります。賢く資産を守るためには、会社の業績が良く報酬が多い時こそ節税対策などにより利益を先送りし、不足の事態に備える視点も重要です。

 

良きパートナーの選択

会社経営という本業をおろそかにしてまでも不動産投資を行うことは本末転倒です。忙しい中で不動産投資を実現させるためには、良きパートナーを見つけることが重要です。

日常的な建物管理や入居者対応などを適切に対応するとともに、入居者確保を任せておける管理会社の選択は特に重要です。

まとめ

経営者のあなたが不動産投資を行う上で考えられる5つのメリットをみてきました。収入面からみた節税効果や本業に活用すると得られるメリットなど、経営者のあなたが不動産投資を行うからこそのメリットはとても大きいことがわかります。

会社の業績が好調でも、景気や市場の変化であっという間に経営が悪化する危険性は常にあります。会社経営には常にリスクが伴うため、会社やあなたの資産がいつ失われるか分からないという危機感に対して、事業のポートフォリオとして不動産投資というリスクヘッジも選択肢の一つです。

新たな事業の一環として不動産事業を検討し、新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。