不動産投資の物件選び|立地の魅力と将来性を見極めよう
不動産投資では物件選びが重要なのはもちろんですが、それ以上に重要なポイントとして「立地選び」を挙げることができます。特に少子化・人口減少が進む今後は、入居需要が確実に見込める「立地の将来性」を見極められるかどうかが、不動産投資の成否を左右するポイントになるでしょう。
今回は、物件を選ぶ際の「立地の将来性」を見極めるべきポイントをご紹介するので、不動産投資を検討している方はぜひ参考にしてください
好立地の条件とは
不動産投資において、優良物件を見極めるポイントとなるのが「立地条件」です。
<立地条件を見極めるポイント>
・駅まで近いか
・コンビニやスーパーが近所にあるか
・都心までアクセスしやすいか
など、暮らしやすさや、通勤・通学のしやすさも含まれます。
都心から離れていない
例えば好立地とされるエリアは、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、または地方大都市圏(大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌など)などがあります。より具体的には「東京23区およびその近隣」、または、「地方大都市中心部およびその近隣」ということになります。
首都圏や地方大都市中心部が好立地と言われるのは、企業や商業施設などの働き口が多く、人口が集積しているからです。また、大都市の魅力を求めて地方から人が流入してくるため、人口減少の影響が低いことも理由として挙げられます。
最寄り駅に近い
物件の立地を見極めるポイントの2つ目は、最寄り駅からの距離です。優良物件を探すには、最寄り駅から最低でも「徒歩15分以内」、可能であれば「5〜10分以内」と近いほど賃貸経営を行う上で有利になります。逆に、徒歩で20分を超えたり、公共交通機関を使えないエリアにある物件などは、人気度が落ちます。
また、駅の種類にも人気・不人気があります。物件が好立地とされる最寄り駅は、例えば次のような条件が当てはまります。
①複数の鉄道路線の乗換駅である
②複数の鉄道路線が乗り入れている
③急行・準急・快速などの停車駅である
④乗り換えなしで巨大ターミナル駅(池袋・新宿・渋谷など)に出られる
今後の不動産投資では「立地の将来性」も重要
これまで見てきた条件は一般的に好立地と言われる要素の一つですが、上記を満たしていても、不動産投資が確実に成功するわけではありません。例えば、現在は人口の多いエリアでも、年齢別で見た場合に高齢者に偏っていれば、将来の入居需要に不安が残ります。
このように不動産投資で本当に好立地の優良物件を見つけようとする場合は、「立地の将来性」について見極めることが重要になります。
人口が増えているか
立地の将来性を見極める方法の一つとしては、官公庁が発表する人口推移に関する統計調査などが参考になります。人口が増えれば、不動産の購入や賃貸需要が上昇する可能性も高くなるので、人口が増えているエリアの物件を取得することがその後の有利な展開に繋がります。
検討しているエリアの人口増減の傾向は、各都道府県が人口統計調査として公表しています。例えば神奈川県の場合、現在の人口は約918万人で、前年同期に比べて1万8346人の増加となっています(2019年年1月1日時点)。
このほか、鉄道駅の乗降人員数の推移も参考になります。例えば、JR東日本は1987年から現在までの各路線の利用状況を公表しており、東海道本線(品川〜鶴見など)や横浜線(東神奈川〜八王子)などの路線は、過去5年間増加傾向にあります。
住んでいる人の年齢
立地の将来性を見極めるには、そこに住んでいる人の年齢構成を調べることも重要です。若い単身者が多い街か、または子育てしている夫婦が多いのか、あるいはほとんどが高齢者なのか、それを調べることで街の性格がわかってきます。
若い世代が多く住むエリアは、お洒落な店舗や施設が多く、買物や遊べるスポットが揃っています。買物・遊び・外食・子育て関連の需要が高いため、新しい店舗や施設ができ、リニューアルも頻繁に行われます。
このように子育て世代が多く住むエリアは、将来的な人口増加も期待できるため、入居需要を見込むこともできます。
自治体の取り組み状況
自治体の助成も大切なポイントです。各自治体は、住みやすい街づくりに向け様々な助成制度を設けており、例えば子育て関連では、出産祝金の支給や乳幼児医療費の助成、認可外保育所利用者への補助などを行っている自治体が多くみられます。
また、新婚世帯を支援することで多くの若い人たちに移り住んでもらうため、住居費や引っ越し費用の一部を助成している自治体もあります。高齢世帯に対しても安心して賃貸住宅に住めるように家賃債務保証や賃貸住宅の斡旋を行っている自治体もあります。
このように、各自治体は生活全般にわたる様々なニーズに応えることで住みやすい街づくりに取り組んでいます。最近はSNSを積極的に活用して街の魅力をアピールする自治体も増えているので、立地選びの参考にするといいでしょう。
他エリアとの差別化
他エリアとの差別化も立地の将来性をはかる上で重要なポイントです。差別化の着眼点には、以下のようなものがあります。
①高級感 | 高級住宅地というブランド力を持っている居住エリアです。港区の麻布や広尾、六本木などが該当します。 |
②流行・お洒落感 | 流行に敏感で、洗練されたお洒落感漂うイメージが定着している居住エリアです。東急東横線沿線の自由が丘や代官山、山手線の原宿や目黒などが該当します。 |
③観光・レジャー | その街自体が観光・レジャースポットになっている、または、観光・レジャースポットが近くにある居住エリアです。別荘地として人気を呼ぶ場合もあります。横浜や鎌倉・逗子などの湘南エリア、三浦半島などが該当します |
④利便性と眺望 | 都心に近く、交通の便が良いエリアです。また、リゾート地にいるかのような眺望が望めるエリアです。このようなエリアはあまり多くありませんが、タワーマンションで有名な東京湾岸エリアや横浜港を眺望できるエリアなどが該当します。 |
このような居住エリアの物件販売価格は高い傾向にありますが、不動産相場の上昇や安定した入居需要が見込めます。
将来的な発展の見込み
立地の将来性を左右する大きな要素として、どのようなイベントが生じれば街が発展するかについては、以下のポイントが挙げられます。
①鉄道新線の開通
②鉄道新駅の設置
③高速インターチェンジの設置
④駅前再開発
⑤大型ショッピング施設の開業
⑥大学の誘致
①鉄道新線や②鉄道新駅は滅多に新設されるものではありませんが、例えば神奈川県では、相鉄本線西谷駅~羽沢駅~日吉駅に至る新線である「相鉄・JR直通線」、あざみの駅~新百合ヶ丘駅の延伸計画である「横浜市営地下鉄ブルーライン」、川崎駅~新百合ヶ丘間を結ぶ地下鉄計画である「川崎市営地下鉄」などが予定されています
※自治体のHPでインフラ整備計画を確認したり、インターネットで「湘南 鉄道計画」のように「地域名」と「鉄道計画」をかけ合わせて検索してみましょう。
⑤のショッピング施設については、例えば「ららぽーと」や「イオン」など超大型のショッピングモールが増えており人気です。このような超大型のショッピング施設がエリア近隣に開業すれば、利便性を求めて住みたい人が集まり、街が発展していく可能性も期待できます。
※全国の商業施設のオープンのまとめサイトを確認したり、インターネットで「湘南 商業施設 オープン」のように「地域名」と「商業施設 オープン」をかけ合わせて検索してみましょう。
このように街を発展させるようなビッグイベントは、事前に関連情報を得ることができるものもあるため、物件探しの参考にしてみてください。
※全国のイベントまとめサイトを確認したり、インターネットで「湘南 イベント」のように「地域名」と「イベント」をかけ合わせて検索してみましょう。
まとめ
不動産投資では、物件の立地条件がその成否に影響します。今後は「駅近」や「都心までのアクセスの良さ」といった従来の評価ポイントに加え、人口動向や街の発展可能性などの視点が特に需要になってくるでしょう。
「立地の将来性」を判断するには、地元の不動産業者から情報を仕入れることも可能です。最近はネットで誰でも様々な情報を得ることができますが、その街の魅力や住んでいる人の属性を調べる際は、不動産屋が最も心強い味方になってくれます。
不動産投資を検討している方は、建物や設備のグレードだけでなく、立地や街の将来性を含めて物件を検討してみてください。