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不動産投資に必要な「団体信用生命保険」とは?生命保険代わりになる理由を解説

 2022/05/25 リスク対策
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不動産投資 保険

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの返済途中に契約者が死亡または高度障害状態となった場合に、ローン残債が団信によって弁済される制度です。

ただし、団信に加入する際は、本人が死亡した場合、相続税が高くなるケースもあるなど注意したいポイントもあります。

今回の記事では、不動産投資を行う上で知っておきたい団信のメリット・デメリット、気を付けるべきポイント、団信加入が必要でないケースについて詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

団体信用生命保険(団信)とは

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの返済途中に契約者が死亡または高度障害状態となった場合に、住宅ローンの残債を金融機関に返済してくれる保険のことを言います。

団体信用生命保険の仕組み

団体信用生命保険に加入すれば、住宅ローンの残債が保険から金融機関に返済されても、融資対象の住宅を取られてしまうことはなく、ローンだけが無くなります。例えば高度障害で働けなくなった契約者本人や契約者を亡くしてしまった遺族は、ローン返済の心配をすることなく、安心して住宅に住み続けることができます。さらにローンを利用すれば、マイホーム購入だけでなく投資用物件の場合にも加入することができます。

団体信用生命保険の種類

団体信用生命保険には、通常いくつかの種類があります。

基本契約では、契約者が死亡または高度障害状態となった場合に保障されますが、基本契約に加えて特約を付けることができます。

①3大疾病特約

契約者が死亡または高度障害状態となった場合に加えて、がん・脳卒中・心筋梗塞の3大疾病により所定の状態となった場合に保障が受けられる特約です。ただし、特約を付けるとその分保険料は高くなります。なお、「所定の状態」は細かく規定されているため、例えば、脳卒中を発症しても所定の状態に達していなければ、保障は受けられません。

②8大疾病特約

契約者が死亡または高度障害状態となった場合に加えて、がん・脳卒中・心筋梗塞・糖尿病・肝硬変・高血圧疾患・慢性膵炎・慢性腎不全の8大疾病により所定の状態となった場合に保障が受けられる特約です。特約分の保険料が高くなる点、所定の常態に達しなければ保障が受けられない点は、3大疾病特約の場合と同じです。

 

団体信用生命保険のメリット・デメリット

不動産投資 団信

不動産投資をする上で、団体信用生命保険に加入するメリットおよびデメリットについて見ていきましょう。

団信のメリット

メリット

説明

キャッシュフローが増加する

不動産経営における1年間に手元に残る現金(キャッシュフロー)は次の計算式から求めます。

1年間のキャッシュフロー=1年間の家賃収入×(1-空室率)-1年間の維持管理経費-1年間のローン返済金-固定資産税・都市計画税

団信に加入していれば、いざという時に団信から保険金が支払われローンの残債を完済してくれます。そのため毎月のローン返済金がなくなり、キャッシュフローの増加・収益性の向上が図れます。

収益物件を家族に残すことができる

相続時にはローン残債のない収益物件を家族に残すことができます。この場合、物件はローン返済の負担がなくなるため、収益性が向上し、残された家族の経営負担が軽くなります。賃貸経営で得られる家賃収入は、家族の将来的な生活を支える資金となります。

団信のデメリット

デメリット

説明

相続税が高くなる可能性がある(相続税の節税対策にならない)

相続税は、被相続人が所有していた資産総額から負債総額を差し引いて算定されます。団信に加入していない場合、ローン残債は負債として資産総額から差し引かれますが、団信に加入しているとローンが完済されるため、負債として資産総額から差し引くことができなくなり、相続税が高くなってしまう可能性があります。つまり、相続税の節税効果がなくなります。そのため、資産を多く所有している方は、団信の加入で相続税額にどの程度の影響がでるかの試算を行い、加入の是非を検討するのがよいでしょう。

所定の高度障害状態以外は保障の対象外

団信の保険金が支払われるのは、契約者が死亡または高度障害の状態になった場合です。高度障害の状態は細かく具体的に規定されており、その規定内容に合致しなければ、例え働けない状態になったとしても保障を受けることができません。

生命保険料控除の対象にならず、節税効果はない

団信の保険料は生命保険料控除の対象にならないため、節税の効果はありません。

 

団信の加入で気を付けるポイント

不動産投資 団信

不動産投資ローンを利用する際に団信に加入する前と後で気をつけた方がよい点について見ていきましょう。

保険料の支払いが多くなり過ぎていないか

団信に加入すると、その保険料は毎月のローン金利に上乗せされることになります。その保険料上乗せ分の負担が不動産経営に与える影響について、事前に確認しておくことが非常に重要です。

アパートの立地が悪く、賃貸物件の収益性が高くない場合、毎月のローン金利が増えて不動産経営が圧迫されます。そのため、保険料を支払い続ける場合を想定し、賃貸経営で確保できるキャッシュフロー(収支計画)を事前に試算するなどの検討が必要です。

加入要件や病歴の告知について確認する

多くの団信は、「加入時の年齢が満18歳以上66歳未満であること」など加入時の年齢に要件が付けられています。まずは、ご自身が加入しようとしている団信の加入時年齢要件を確認し、要件に適合しているかをチェックすることが先決です。

また、契約時に自分の過去の病歴を隠すか、または忘れてしまい正確な告知を怠った場合には、万が一の時に保障されない可能性があります。加入時には、病歴の告知が漏れていないかを確認することが必要です。

団信でもカバーできないリスクがある

団信の保険金が支払われるのは、契約者が死亡または高度障害の状態になった場合です。高度障害の状態は細かく具体的に規定されており、その規定内容に適合しなければ、働けない状態になったとしても保障は受けられません。

また、疾病特約を付けた場合でも、保障が受けられる所定の状態は細かく規定されています。契約者の体質や健康状態によっては一般の生命保険と二重に加入する必要もあるでしょう。

いざという時に保障が受けられる条件を確認せずに加入してしまうと、後のトラブルの原因になるため、団信の加入前に保障が受けられる条件を丁寧に確認することが重要です。

例えば、病気やケガで長期的に働けない状態では、保険金が支払われないケースがあります。

アパートやマンションのような賃貸収益を生み出すローンの返済は、あなた自身の本業収入で返済するわけではないため問題は低いのですが、住宅ローンの場合は大変です。

当面は有給休暇や傷病手当金などが活用できますが、働けない期間が長期になれば、貯金を切り崩しての生活を強いられ、毎月の住宅ローン返済が困難になる可能性があります。

このようなリスクに備えて他の保険と保障内容が重複していないか、保険料を払い過ぎていないか、あるいは団信とは別に長期間の就業不能に備えた保険に加入を検討するなど見直しを検討されるのもいいでしょう。

保険の見直しは慎重に検討する

団信は前述したとおり、契約者が死亡または高度障害状態になった場合や、特約を付けていても疾病により所定の状態となった場合に保障が受けられる保障です。

例えば、体を壊して働けない状態になったとしても、要件に該当しない限り保障を受けることはできないため、他の生命保険の見直しは慎重に行うことが肝心です。

 

団体信用生命保険の加入は本当に必要?

不動産投資ローンでは、団信の加入を融資の条件にしている金融機関は多いですが、すべての金融機関で加入が必須の条件になっているわけではありません。中には、団信の加入なしでも、万が一の時の返済目途が立っていれば融資を行ってくれる金融機関もあります。

資産が多く、多額の相続税が課税される可能性がある方

団信に加入していると、相続発生時にローン残債が完済され、相続財産から差し引くことができる負債総額が減ってしまい、その結果、相続税額が高くなる可能性があります。つまり、相続税の節税効果がなくなってしまうため、団信には加入しない方がメリットがあります。

資産を多く所有し、多額の相続税が課税される可能性がある方、団信の保険金がなくても相続財産を使ってローン残債の返済が十分可能な方などは、団信加入について慎重に検討する必要があります。

アパートの収益性が良く、賃料収入でローン完済ができそうな場合

賃貸物件の立地や間取りなどの条件がよく収益性が高い場合には、契約者が死亡または高度障害状態になっても、残された家族が賃貸経営を引き継いで運営できる可能性があります。月々の安定した家賃収入で、ローンの返済を滞りなく続けることも見込めます。

団信は加入すれば保険料がかかるため、このようにアパートの収益性がよく、団信に加入しなくても安定した家賃収入でローン完済できる場合は、団信加入は慎重に検討したほうがよいでしょう。

他の生命保険に加入している場合

すでに他の生命保険に加入しており、万が一契約者が死亡または働けない状態となっても、その保険金でローンの返済を行うことができるケースでは、団信に無理に加入しなくても将来的な保障の体制が整っている状況にあると言えます。念のため、融資を受ける金融機関にその旨を説明し、将来的な保障の体制が整っているかを担当者の方に判断してもらうのも良いでしょう。

 

まとめ

団信は、住宅ローンの返済途中に契約者が死亡または高度障害状態となった場合に、住宅ローンの残債を金融機関に返済してくれる保険で、いざという時に頼りとなる保険です。加入すれば保険料がかかりますが、既に入っている他の生命保険を見直して整理するなど、工夫をすれば支出を極力抑えていくこともできるでしょう。団信に加入するべきかどうかは、加入後のメリットやデメリットを勘案するとともに、加入要件や保障を受けられる条件、金利負担による不動産経営への影響を検討し、総合的に判断しましょう。

例えば、自分が働けているうちは生活には困らないけど、万一の時に備えて家族が生活できるように収入を確保しておきたい方は団信に加入、相続税対策として不動産投資を行うならば加入しないなど、不動産投資目的に応じた選択をすることが大切です。金融機関でローンを申し込む際に団信に加入するか否かの判断が必要となりますので、事前に検討しておきましょう。

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