会社員による新築区分マンション投資|3つの失敗事例と対策方法
今回は、これからマンション投資を始める会社員の方が失敗することのないように、新築区分マンション投資でよくある失敗パターン3つと対策方法についてご紹介します。
不動産投資の中でも新築区分のマンション投資は、比較的価格が安く、会社員の方にも始めやすいと人気があります。しかし、融資を受けて長期運用を計画している場合、思わぬ落とし穴も多く、利益を出せずに失敗するケースもあります。
失敗しないためにも、まずは区分マンション投資の特徴について事前に把握しておきましょう。
会社員の方が新築区分マンション投資で失敗する3パターン
まずは、会社員の方が新型区分マンションを購入して投資をする際に、失敗してしまうパターンとして、以下の3つが挙げられます。
- 新築購入後の価格下落で損失が発生するケース
- キャッシュフローが赤字で新規融資が下りないケース
- 修繕積立金の不足による負担増加のケース
それぞれ詳しくご紹介していきます。
新築購入後の価格下落で損失発生する事例
新築区分マンションをマンション投資用に購入した会社員の方によく見られる事例として、購入後の価格下落による損失があります。これは短期間だけ保有して売却するケースで多い事例です。
マンション投資では、前もって資金計画を立てていても資金繰りが苦しくなって売却を迫られることがあります。例えば、家賃下落や修繕積立金の増加などによる収益性の悪化などが挙げられますが、いずれも新築マンションを購入したことにより付随する理由です。
しかし、新築区分マンションは販売価格に広告費や販売会社などの利益が上乗せされているので、購入直後から物件の値下がりが始まることになります。
そのため、短期保有後に売却して利益を出す場合や、資金繰りが苦しくなったために売却を考える場合などは、すでに販売会社の利益分は値下がりしていると考えておく必要があります。
キャッシュフローが赤字で新規融資が下りない事例
マンション投資は少ない自己資金で借り入れを行い、物件数を増やすことでレバレッジを効かせられることに魅力があります。保有する物件が増えれば、空室リスクの軽減にもつながります。
しかし、赤字運用している物件があると、新規の融資はつきにくくなるので注意が必要です。新築区分マンションの購入を足がかりに物件を買い増ししようと計画を立てている会社員の方には、収支が赤字となって買い増しができなくなる事例は少なくありません。
新築区分マンションは中古に比べて購入金額が割高な上、築年数の経過により家賃収入が減少します。つまり購入してから次第に収益性が悪化する傾向があるため、キャッシュフローの適切な維持が求められます。
運用しているマンションが黒字となって入れば、次の物件購入における融資はつきやすくなりますが、キャッシュフローで赤字の物件を抱えている場合、融資も下りにくいので、買い増しも難しくなります。また、前記の「新築購入後すぐに価格下落で損失発生するケース」も同様に、買い増しの融資が受けにくくなります。
この様な傾向は、「少額の負担で将来の資産形成ができる」という営業トークで購入された方、「所得税の節税目的」で購入された方にも多く見られますので注意してください。
修繕積立金の不足により負担増加する事例
新築区分マンションを購入して長期運用する際に注意が必要なのが修繕積立金です。その修繕積立金を支払うことで、収益が悪化することがあります。
新築マンションは新築後13年から16年を目安に大規模修繕が行われます。そのほか、マンションは劣化具合によって修繕が必要となり、そのための資金計画も立てています。
しかし、国土交通省の発表によると、修繕積立金が不足するマンションは全体の34.8%となっており、さらに修繕計画に対して20%以上不足する物件は15.5%にのぼるとされています。
毎月のローン返済のほかに不足分の修繕費を一括支払いするか、あるいは毎月の積立金が増額になるか、いずれにしても負担が増えるために収益は減少してしまいます。
場合によっては赤字となり自腹で不足分を支払うケースもあるので注意が必要です。
新築区分マンション投資で失敗する原因と理由
このように新築区分マンション投資には決まった失敗パターンがあります。その原因や理由としては、以下3つのポイントが挙げられます。
- 新築区分マンションは賃料の下落率が高い
- 新築マンションは資産価値の高い立地での購入が難しい
- 長期保有でも利益を上げるのは難しい
新築区分マンションは賃料の下落率が高い
マンション投資のキャッシュフローは、家賃収入からローン返済や管理費などを差し引いた残金になります。その割合が変わらないのであればよいのですが、新型区分マンションは賃料の下落率が高いという特徴があります。
そもそもマンションの賃料は築年数の経過により、下落する傾向があります。これは周辺の物件との比較もありますが、設備の劣化などによる居住性の低下が原因です。
そして新築マンションの場合には、「新築」というプレミアムがついて賃料が高く設定できます。つまり中古になるとこのプレミアムはなくなるので、賃借人が退去すると次回の募集時には賃料を下げざるを得なくなります。
一方、毎月のローン返済は基本的に変わりません。変動金利でローンを組んでいる場合、経済状況によっては金利上昇にともない、支払い額が増える可能性もあります。
このように新築区分マンションは築年数の経過によって、収益性が悪化する可能性があります。
新築マンションは資産価値の高い立地での購入が難しい
新築マンションは購入直後から価格の下落が始まるので、少しでも資産価値の高い立地で購入したいと考えるのが通常です。しかし、実際に会社員の方が購入できる資産価値の高い新築マンションは種類も少なくなります。
例えば、東京湾岸部のタワーマンションのように、資産価値の落ちにくい新築マンションがあります。
しかしそのような新築物件は基本的にファミリータイプが多く、一般的な収入の場合に購入するには高額です。
基本的に会社員の方が購入しやすい新築マンションは、比較的価格の安いワンルームタイプが多くなります。しかし、ワンルームタイプのマンションで資産価値の高い場所に建設されるケースは、それほど多くないため、物件選びやエリア選びが難しくなります。
長期保有でも利益を上げるのは難しい
短期保有での売却で利益を出すのが難しい場合、長期保有をすれば利益が出るのかといえば、賃料の下落や修繕積立金の積み増しといったことを考えると、簡単ではありません。
新築区分マンションの担保価値は高いのでフルローンが借りられるうえ、返済期間も長く設定できます。しかし、長期間保有すると家賃の下落や修繕費用の負担増加といった問題から、収益性は低下していくので、長く保有したからといってキャッシュフローが増えるわけではありません。
短期保有での売却でも長期保有でも利益を出すのが難しいのが、新築区分マンション投資が難しい理由です。
新築区分マンション投資で失敗しないためのポイント
会社員の方が新築区分マンション投資で失敗しないため、下記のポイントに注意することが重要になります。
- 短期間での売却が不要な資金計画を立てる
- 短期売却をするなら築5年を目安にする
- 小規模マンションと大規模マンションは避ける
短期間での売却が不要な資金計画を立てる
新築区分マンションは短期保有での売却は難しいものです。購入金額が高いため家賃利回りが低く、キャッシュフローが少ないことなどが理由です。
しかし、長期保有すれば必ず利益が出るというわけではないため、築年数の経過により賃料は低下すること、修繕費用も増加する可能性があることを見込んで、頭金を多めに用意するなどの対策を立てておくことが大切です。そのうえでキャッシュフローが生じるような資金計画を立てるようにしましょう。
短期売却をするなら築5年を目安にする
新築区分マンションを長期保有しない場合、売却するタイミングは築年数が5年を迎える頃を目安に設定するとよいでしょう。室内設備、特に水回りの劣化が気になるのが築年数5年前後の時期なので、賃貸需要を増やすため設備のメンテナンスなどが必要になります。
また、修繕積立金の不足が確認されるのが築5年であることも理由です。国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」によると、「長期修繕計画及び修繕積立金の額を一定期間(5年程度)ごとに見直しを行う規定を定めることも望まれる」としています。
小規模マンションと大規模マンションは避けること
マンションはその規模によって、修繕積立金の相場が違います。あくまでも平均ですが、おおむね総戸数が50戸以下と151戸以上のマンションは、それ以外のマンションと比較すると修繕積立金が多くなる傾向があります。
規模の小さいマンションは維持すべき共用部分に対して、戸数が少ないのが理由です。一方で大規模マンションの場合、共用部分が増えることや、付帯設備が充実することなどが理由となります。
目安としては総戸数が51戸〜150戸のマンションであれば、修繕積立金の負担が比較的軽くなると考えておくとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。会社員の方が新築区分マンション投資をする場合、注意すべきポイントは多くあります。マンション投資は長期運用か短期保有かなど、投資目的によって利益の出し方も変わってくるので、事前に失敗パターンをよく確認しておき、成功させるための参考として活用してみてください。
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