中井町の地価動向を解説|最新の価格推移と投資のポイント

この記事では、中井町の最新の価格動向や地価の変動要因を詳しく解説し、投資のポイントについても紹介します。中井町で不動産購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事は2025年1月調査時点の情報となります。
中井町の最新の価格動向
2024年の基準地価は4万8475円/㎡で、前年比1.18%の上昇となりました。一方、公示地価の平均は4万6266円/㎡で、前年比0.08%の微減です。
工業地の一部では需要が高まり、地価が上昇。一方で、住宅地はエリアごとに変動が大きく、利便性や周辺環境の違いが影響を与えています。今後も用途ごとの動向を注視しながら、市場の変化に対応していくことが重要です。
参照:土地代データ(中井町)
中井町のエリアごとの地価ランキング
地価が高いエリア
中井町で最も地価が高いエリアの一つが井ノ口字堀添です。ここは6万8000円/㎡(坪単価22万4793円)となっており、工業地としての需要が高い地域です。事務所や倉庫が立ち並ぶ工業団地の一部であり、交通アクセスの良さから物流拠点としての活用が進んでいます。企業の進出や倉庫需要の拡大が地価を支えており、今後も安定した推移が見込まれます。
井ノ口字坂本は住宅地として一定の価値があり、6万2000円/㎡(坪単価20万4958円)となっています。このエリアには一般住宅が建ち並ぶ一方で、未利用地も見られ、今後の開発が進む可能性も考えられます。
駅からの距離や周辺環境の整備状況が地価に影響を与えていると考えられ、利便性の高さを重視する住宅購入希望者にとって検討に値するエリアかもしれません。また、地価が比較的安定していることから、長期的な不動産投資先として視野に入れる余地があるのではないでしょうか。
地価が低いエリア
一方で、松本字中ノ久保は、地価が820円/㎡(坪単価2710円)と非常に低い地域です。市街化調整区域内にあり、雑木林が広がるため、開発の見込みは少ないでしょう。不動産投資の観点からは短期的な収益化は難しいエリアといえます。
また、遠藤字根下の地価は2万8700円/㎡(坪単価9万4876円)で、住宅地としては比較的低い水準にあります。このエリアは既存の住宅が点在し、農家住宅なども見られる地域ですが、交通の便が良くないため、住宅需要が限定的です。移動手段が車に依存するため、公共交通の利便性が向上しない限り、大きな地価の上昇は期待しにくいでしょう。不動産投資を検討する場合、安価な土地を活用する戦略が求められますが、出口戦略を明確にしておくことが重要です。
参照:土地代データ(中井町)
参照:地価公示
駅距離と地価の関係 – 利便性と価格のバランス
一般的に、駅に近いほど地価は高くなる傾向がありますが、中井町には鉄道駅がないため、住民は秦野駅や二宮駅を利用しています。そのため、町外の駅に近いエリアでは住宅需要が一定程度見られますが、地価の変動には周辺環境や開発状況も影響を与えます。
一方で、駅から離れたエリアでは、駅距離よりも幹線道路や商業施設へのアクセスが重要視されます。特に、車移動が前提となる地域では、道路整備や商業施設の立地が地価の変動要因です。こうした要素を考慮し、住宅購入や不動産投資では、駅距離だけでなく地域の開発状況や利便性を総合的に判断しましょう。
秦野や二宮の地価について知りたい方は以下の記事もご覧ください。
二宮町の地価推移と将来性を解説!
秦野市の地価推移と将来の見通しを解説!
中井町の地価推移|過去からの変動を見る
バブル期と現在の比較
1990年代後半には、中井町の土地価格は一時、1㎡あたり14万円を超える水準にまで急騰しました。しかし、その後の経済環境の変化や市場調整により、現在は平均約4~5万円程度に落ち着いています。かつての高騰時と比べると、価格差はおよそ3倍に達し、不動産投資のリスクと将来性を再考する重要な要因となっています。
直近10年間の推移
直近10年では、中井町の公示地価は2014年頃の約5万7千円から、2024年には約4万6千円台へと緩やかな下落を示しています。一方、基準地価も同様の軌道をたどり、近年は若干の上昇傾向が見られるなど、全体的な市場の安定化が伺えます。今後の動向を注視しながら、投資判断の材料とすることが求められます。
参照:土地代データ(中井町)
中井町の地価が影響を受ける要因
人口動向
中井町の人口は毎年減少で推移しています。2023年では8,970人でしたが、最新の住民基本台帳データによると、2024年1月1日時点の総人口は8,932人となっています。年齢構成を見ると、2023年の高齢化率(65歳以上の割合)は36.0%に達しています。特に75歳以上の後期高齢者は増加傾向にある一方、15歳未満、15~64歳、65~74歳の人口は減少しています。
将来推計によると、この傾向は今後も続く見込みです。令和8年(2026年)には総人口が8,611人まで減少し、75歳以上の割合が21.4%に増加すると予想されています。さらに長期的には、令和22年(2040年)には総人口が6,793人まで減少する可能性があります。このような状況の中、今後は住環境の整備や利便性の向上が、地価の動向に影響を与える要素となるでしょう。
参照:中井町高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画【PDF】
交通アクセス
中井町の最寄り駅は秦野駅や二宮駅ですが、町の中心部から距離があり、鉄道の利便性は高くありません。一方で、東名高速道路の秦野中井インターチェンジや主要国道へのアクセスは良好で、町内の交通手段は主に車が中心です。このため、駐車場付きの住宅が求められる傾向にあると推測できます。
駅からの距離が影響するため、鉄道利用者向けの住宅需要は限定的で、主要道路沿いのエリアが比較的安定した地価を維持しています。今後、公共交通の利便性が向上すれば、一部のエリアでの地価上昇が期待できる可能性があります。
インフラ整備と開発状況
中井町は市街化区域と市街化調整区域に分かれており、開発可能なエリアは限定的です。市街化区域では住宅地の整備が進んでいる一方、商業施設の増加は限定的であり、生活利便性の向上には課題が残ります。
一方で、公共施設の老朽化が進行しており、今後の更新費用が課題となっています。令和48(2066)年までに公共施設の更新費用を年間1.5億円、道路などのインフラの更新費用を年間2.4億円と試算されています
道路整備に関しては、狭あい道路の解消など生活道路の環境改善や、安全で安心して通行できる歩行者空間の確保が課題となっています。
新たな開発や整備計画については、中井町が地域公共交通計画を策定していることから、今後の公共交通の利便性向上に向けた取り組みが行われる可能性があります。
まとめ
中井町の地価は用途やエリアによって大きく差があり、駅や幹線道路へのアクセス、産業需要の有無など多面的な要素が影響します。住宅地から工業地まで、それぞれの特性に合った利用計画を立てることが重要です。特に人口減少や市街化調整区域の存在は開発余地を左右するため、投資時には将来の利便性や出口戦略を見据えた総合的な判断が必要です。
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