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資産管理会社を設立する方法と、法人化するメリット

資産管理会社 法人化 メリット

不動産投資を個人で行っている場合、複数の物件を保有すると収益が高まる一方、税金の負担も気になる方も多いのではないでしょうか。

個人に対する所得税は所得が大きいほど税金も多くなる累進課税になっているため、節税目的として資産管理会社の設立を検討するという方法はよく知られています。
その一方で、設立方法や費用、給与額など、どうすべきか悩んで法人化できないという話しをよく耳にします。

今回の記事では、不動産投資で法人化を検討している方のために、資産管理会社の設立方法、法人化によるメリット、活用方法について詳しく説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

資産管理会社とは

資産管理会社とは、おもに個人資産の運用・管理を目的とする会社であり、プライベートカンパニーと呼ばれることもあります。商品販売やサービス提供といった生産活動を基本的に行わない点が通常の会社と異なります。

資産管理会社で管理する資産は不動産、株式、債権や現金などです。これらを購入したり売却したり、あるいは保有し続けるといった形で運用します。

 

資産管理会社を設立する、たった一つの理由

なぜ不動産や株式、現金などを個人ではなくわざわざ資産管理会社で運用するのでしょうか。その大きな目的は「節税」です。

たとえば個人の収入に対して、所得税は税率が最大で45%、住民税は10%となります。所得税には復興特別所得税として2.1%が上乗せされます。

一方、法人の収入に課せられる税金の実効税率(法人税や住民税などの合計)は29.74%となります。実効税率は、正確には会社の規模や本社の所在地などにより変わり、たとえば資本金1億円以下の会社の場合、もう少し高くなります。

それでも、個人の収入に課せられる税金よりは安くなることから、資産管理会社を設立することで所得税を引き下げるという節税効果を期待できます。

 

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サラリーマンでも資産管理会社を設立できる?

資産管理会社は誰でも設立できます。資本金は1円からなので、すぐにでも設立可能です。

ただし、資産管理会社を設立する際には、さまざまな費用が発生します。株式会社なら登録免許税15万円、定款認証代5万円が最低限必要です。設立手続きを司法書士に依頼する場合には報酬も必要となります。また、資産管理会社の利益が赤字となっていても、法人住民税は発生するので注意が必要です。

このように固定費が発生することを踏まえて、資産管理会社を設立するかどうかを検討する必要があります。

 

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資産管理会社でできること

個人で不動産投資をしている場合、資産管理会社を設立するとさまざまな節税対策をできるようになります。

たとえば家族に役員報酬を支払うことで所得の分散が可能です。所得を分散すれば税率を引き下げることになるため、節税につながります。

また、公務員など副業を禁止されている人は、不動産投資の規模を5棟10室以上にすることができません。しかし、資産管理会社を設立し、家族の者が代表取締役となることで、副業禁止の規約に違反することなく不動産投資を行うことが可能になります。

 

資産管理会社を設立するメリット

資産管理会社を設立するメリットはおもに以下の3点が挙げられます。

 

①節税対策

②経費枠の拡大

③所得の分散

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

節税対策

資産管理会社を設立する目的は「節税」です。個人で不動産投資を行っている場合でも、給与所得と不動産による収入、その経費を損益通算できます。この時点でもある程度の節税になります。

保有する不動産を増やし、利益が大きくなると所得税や住民税の負担も大きくなっていきます。そこで資産管理会社が不動産投資をすることで、税率を大きく引き下げることができ、結果として納付する税金を大幅に少なくできます。

さらに、相続税対策としても資産管理会社を設立すると役立ちます。個人の不動産を相続する場合、相続税の対象となるのはその不動産ですが、資産管理会社の場合に相続税の対象となるのはその会社の株式評価額となります。株式の評価方法は事業形態や会社規模によっても異なりますが、個人で不動産投資をしている場合に比べて相続財産の評価額は低くなる可能性があります。

 

経費枠の拡大

サラリーマンが個人で不動産投資をする場合、ローン支払いの金利や建物の減価償却費、固定資産税などを経費として計上できます。資産管理会社を設立すると、そのほかにもさまざまなものを経費とすることができます。

たとえば自宅の家賃も一部ではありますが経費として計上できます。あるいは物件を管理する会社の担当者と打ち合わせをした際の飲食に関わる交際費なども、経費の対象となります。

このように法人として不動産投資をすることで、個人では申告できなかったさまざまな経費計上が可能です。

 

所得の分散

個人の所得はその額が大きくなるほど所得税率も大きくなります。そのため、所得を分散することで税率を引き下げることができます。

たとえば妻を資産管理会社の役員とし、役員報酬を支払えば法人税の課税所得を引き下げることが可能です。資産管理会社を設立して家族を役員とすることで、役員報酬を支払うことにより所得を分散できます(ただし、個人の所得税率が法人税の税率を上回らないように注意することも大切です)。

 

資産管理会社の3つの活用方法

不動産投資で資産管理会社を上手に活用する方法は、おもに「建物所有方式」「サブリース方式」「管理委託方式」の3種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

建物所有方式

資産管理会社の名義で不動産登記をする方法です。運用する不動産の賃料や売却によって得られた利益はすべて、資産管理会社のものとなるのが特徴です。この場合、個人として収入を得るためには役員報酬として受け取る必要があります。

現物不動産を相続する場合、遺産分割をするのが難しいというデメリットがあります。一方、建物所有型は株式がその分割対象となるので遺産分割しやすい点がメリットになります。

 

サブリース方式

サブリース方式は、投資用不動産のオーナーと資産管理会社との間で、一括借り上げの賃貸借契約を結ぶタイプです。資産管理会社からオーナーに決まった賃貸料を毎月支払うのが特徴です。

空室があっても無くてもオーナーに支払う賃料は毎月一定なので、実際の家賃収入よりも10%〜20%程度低くなるのが一般的です。つまり、空室リスクを含んだ金額と言えます。資産管理会社としてはその差額が収益となり、空室が少ないほど会社の利益となります。

また、個人がすでに不動産を所有している場合、所有権を資産管理会社に移す手間や費用がかからないのもメリットです。

 

管理委託方式

管理委託方式はサブリース方式と同様に、オーナーが不動産を所有したまま、資産管理会社が管理業務のみを行うものです。オーナーから管理費用を資産管理会社に支払います。

管理業務としては入居者の募集や賃貸借契約の締結および更新手続き、物件の保守点検などがあります。つまり不動産投資において管理会社に委託する業務を、オーナーが設立した資産管理会社で行うというタイプになります。

管理費用を家賃収入などの何パーセントに設定するかによって節税効果は異なりますが、目安としては5%程度になるでしょう。そのため、建物保有方式やサブリース方式と比べると、節税効果はさほど期待はできません。また、実際に管理業務が発生するので、その手間がかかる点にも注意が必要です。

 

資産管理会社を設立する手順

最後に不動産投資での節税につながる資産管理会社設立の流れを説明します。

 

会社形態と会社設立情報を決める

法人を設立するには、まず会社形態を決めなければなりません。会社形態は株式会社と合同会社の2つがおもな候補となるでしょう。

設立コストが安いのは合同会社ですが、出資者と経営者が同じになる会社形態なので、公務員など副業を禁止されているサラリーマンの方などは自身がオーナーとなってしまい、不都合が生じる可能性もあるので注意が必要です。その点、株式会社であれば妻など家族の者を代表者とすれば副業禁止に抵触することはないでしょう。

会社設立に必要な情報として、決算月や出資金、法人の所在地なども決めます。これらをまとめて「定款」を作成します。定款の認証は公証役場で行いますが、司法書士に任せることもできます。

出資金は1円からで登記できますが、実際には不動産購入に関する費用も必要です。初年度からの消費税納税義務を回避するのであれば、1,000万円未満で必要な運転資金を入れておくとよいでしょう。

そのほか、銀行口座の開設に必要な代表者印と丸印、銀行印も作っておきます。

 

法人設立に必要な書類を提出する

次に法務局や税務署へ、法人設立に必要な書類を提出します。法務局への提出書類としては、登記申請のための役員就任承諾書や印鑑証明書などが必要です。税務署へは法人設立届出書と源泉所得税関係の届出書を提出します。これらの手続きは司法書士に依頼すれば、すべて行なってくれるので手間がかかりません。

資産管理会社設立に必要な費用としては、上記の通り、株式会社の場合、登録免許税15万円と公証人の定款認証手数料が5万円、定礎印紙代4万円などが必要です。合同会社の場合は登録免許税が6万円と定礎印紙代4万円などがかかります。

 

不動産投資を行うと必要になる確定申告の基礎知識

 

まとめ

個人で不動産投資をするよりも、資産管理会社を設立したほうがさまざまな節税対策を講じることが可能になります。法人設立は手間や費用もかかりますが、複数物件を所有していたり、長期的に運用するのであれば相応の節税効果が期待できるので、ぜひ検討してみてください。

 

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