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新築 vs. 中古|不動産投資の目的によって物件の選び方は異なる

不動産投資 新築 中古

不動産投資で物件を購入する際、安定した需要の見込める新築物件か、手頃な価格の中古物件のどちらを取得するかで悩む方は少なくありません。新築の購入価格は高いですが、修繕などの維持管理費用は少なく、入居需要も期待できます。一方、中古の価格は安いですが、メンテナンス費用や空室回避などが課題になります。

このように新築と中古はそれぞれ特徴が異なり、投資によって得られる効果も異なります。

そこで今回は、新築と中古のどちらを選んで不動産投資をすればよいのか、その判断をするためのポイントをご紹介していきます。

 

新築と中古、不動産投資における3つの特徴を比較

新築物件と中古物件、比較する主な特徴は3つです。

 

・物件価格

・融資の受けやすさ

・投資によって得られる効果

 

物件価格や融資の受けやすさは購入するうえで重要なポイントとなります。また、投資によって得られる効果は、より根本的な投資の目的です。購入可能かどうかという基準だけではなく、あなたの不動産投資の目的をかなえるという基準で物件を選ぶ事が重要です。詳しく見ていきましょう。

 

物件価格

新築と中古を比較すると、一般的には中古物件のほうが安くなります。もちろん中古マンションの価格は築年数によっても異なりますが、建物の資産価値は築年数の経過によって減少します。また新築物件の場合、販売会社の利益が価格に上乗せされているため、新築物件の価格は高くなります。

このように購入金額に関しては新築物件よりも中古物件のほうが安いのですが、購入時の出費はほかにもあります。例えばマンション購入時の諸費用を比較すると、新築マンションよりも中古マンションのほうが高くなる傾向があります。

中古物件を購入する場合、仲介手数料(物件価格×3%+6万円)が発生するうえ、築年数の経過によってメンテナンス費用がかかります。リフォームやリノベーションを適切に実施して室内を綺麗にしておかなければ、賃借人がつきにくくなります。キッチンやバスルームの水回り設備も、古くなったら交換する必要があります。給湯器も使用年数によって交換が必要です。

中古物件の購入金額は安いですが、仲介手数料とリフォームあるいはリノベーションの費用がかかる点も含めて総合的に判断する必要があります。

 

融資の受けやすさ

不動産投資は手持ちの資金が少なくても、融資を受けることで購入できる点に魅力があります。少ない自己資金で収益物件が得られるため、レバレッジを効かせられるのがメリットです。

では、新築と中古で不動産投資における融資にどのような違いがあるのでしょうか。

これは新築物件のほうが中古物件よりも融資の面からみると有利であると言えます。中古物件は築年数の経過によって建物の法定耐用年数が減少し、その分だけ担保価値を低く査定されてしまうからです。

不動産投資のローンは住宅ローンとは異なるため、物件の収益性をもとに担保価値を算出するのが基本です。しかし実際には、金融機関は建物の価値がどれほど残っているのかを含めてチェックして、融資期間などを決めるわけです。そのため利回りの良い物件でも、築年数が古い場合は思った以上に融資してもらえない場合もあります。

 

投資によって得られる効果

新築物件は安定した賃貸需要が見込めます。家賃収入を長く得られ、ローンを完済し終えたあとは、副収入として生活資金の助けになってくれます。将来に向けての資産形成、長期的な安定収入を求めるのであれば新築物件を選ぶことをお勧めします。

不動産投資では入居者がしっかり付くかどうかの見極めがとても大切です。
賃貸需要は物件の設備によっても大きく左右されます。周辺にどの程度の競合物件があるのかにもよりますが、基本的には新しい設備が備わっている物件のほうが借り手は付きやすくなります。新築物件は人気の最新設備を備えているケースが多いですが、築年数の古い物件はそうとは限りません。

例えば防犯面で若者に人気のオートロックは、古い物件には備わっていないことがあります。これはリフォームで対処することは難しいので、周辺にオートロックを備えた競合物件があれば、賃借人はそちらに流れてしまう可能性もあります。あるいは浴室乾燥機や消費電力が少ないエアコンなども同様です。このように、便利で最新の設備を備えた新築物件のほうが賃借人もつきやすいという点で有利と言えます。

 

一方で、中古物件は築年数に応じて法定耐用年数が短くなります。例えば、築22年以上経過している木造アパートは、耐用年数が4年と短くなります。この仕組みを活用した物件選びをすると、所得税などの節税効果が期待できます。

長期的な安定収入を求めるのではなく、今現在の高額な納税額を節税するために不動産投資という手段を使うのであれば、節税効果の高い中古物件を選ぶのが良いでしょう。但し、すべての中古物件で効果が期待できるわけではないので注意が必要です。

 

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新築物件は売却時に有利

日本は地震大国なので物件の耐震性も重要です。1981年6月1日以降の建築物には、新耐震基準が適用されているので、それ以降に完成した物件であれば、耐震性に関してはある程度問題ないと判断できます。

しかし実際は、マンションのようにコンクリートで造られた建物は経年劣化するので、耐震性も若干落ちていきます。新耐震基準をクリアした物件であっても、築年数が古いものは耐震性が不十分というケースもあるので注意が必要です。

新築物件の場合、資産価値の高い最新の耐震・耐久性能で建築することで、入居者の安心安全につながるだけでなく、将来の売却時にも有利になります。

 

中古物件の修繕積立金は高額になりやすい

区分所有のマンションを購入する場合、管理費と修繕積立金の支払いが必要です。そしてその修繕積立金も、新築と中古のどちらの物件を投資用に購入すべきかの判断材料になります。

修繕積立金とは、マンションの補修工事などに使う予算のために積み立てるお金です。長期計画を立て大規模修繕をする際にも必要になります。大規模修繕は建物の劣化具合によって工事内容が変わり、その費用も上下します。その結果、当初予定していたよりも多くの工事費が必要となり、修繕積立金を引き上げられることもあります。

新築は最初の修繕積立金を安くしている場合もありますが、大規模修繕の迫っている中古物件は修繕積立金もかなり高くなります。上述した通り、中古物件は手頃な価格と高利回りが魅力ですが、維持費が思った以上に高くなる場合もあることを覚えておきましょう。

 

新築と中古、おすすめはどっち?

不動産投資で収益を生む基本的な仕組みは、賃貸貸しをして家賃収入(インカムゲイン)を得るか、売却することでローン支払いの元本部分を利益分として確保すること(キャピタルゲイン)になります。

すぐに売却せずにできるだけ長く保有する目的で購入する場合は、新築物件が候補になるでしょう。築0〜3年までの値下がり幅は特に大きいため、新築物件を選ぶ際には長期的な計画を立て、すぐに転売するのは基本的に避けたほうがいいでしょう。

一方、中古物件は築年数の経過により新築と比べて賃料が少なくなりますが、リフォームなどで利便性を高めればその下落率を軽減することも可能です。新築物件は、当面の修繕費用はさほどかかりませんが、築年数の経過により家賃設定も下がる傾向があります。

また、中古物件は、長く保有すると修繕費などのコストが膨れてきます。そのため、利回り狙いである程度賃貸運用した後に売却し、利益を確保する目的で、中古物件を選択するという考え方もあります。投資初心者の方でも中古の区分マンションから始めれば、価格も手頃で管理しやすいでしょう。

不動産投資のポイントは、まず長期的な資金計画を立て、収益を確保できるような物件を選ぶことです。その際、新築と中古それぞれの良さを十分に把握して、どちらを選べばより高い収益を確保できるのかをチェックするようにしましょう。節税目的であっても、キャッシュフローがマイナスになるなどの行き過ぎた対策にも注意しましょう。

 

まとめ

不動産投資で新築と中古のどちらがおすすめなのかは、個人の資産状況や保有目的、投資経験で異なってくるためケース・バイ・ケースと言えます。 

長期的な視点で安定収入を求めるのであれば新築物件が一番の候補に上げられますが、不動産投資の目的に応じて得られる効果は異なります。

自分にとって新築と中古のどちらのメリットのほうが大きくなるのかを慎重に検討して選ぶようにしましょう。