Media
メディア

マンション売却を成功させるポイントとは?築年数と資産価値の関係性

マンション経営 売却 ポイント

マンションの売主にとって最も重要なのは「少しでも高く売る」ことではないでしょうか。自分のマンションの資産価値をきちんと把握しておかなければ、希望する金額での売却は難しくなります。マンション売却を成功させるポイントは様々ありますが、中でも重要なのがマンションの築年数と査定額の関係です。

今回は、マンション売却を検討している方のために、事前に知っておきたい築年数と資産価値の関係について解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

マンションの築年数と査定額の下落率

マンションは築年数が経過するにつれて、躯体や設備などが老朽化し、売買価格も下落していきます。マンションの躯体が劣化すればメンテナンスが必要になり、その費用もかかります。購入したマンションの専有部分も修繕が必要になるので、設備も入れ替えることになるでしょう。

このように中古マンションは維持費用が多くかかるので、不動産会社に査定を依頼すると、築年数を反映した価格が提示されることになります。

また、日本ではマンションは新築に人気が集まるので、周辺に新築物件が建てば中古マンションの需要が少なくなるために査定額も下がる傾向にあります。一方、新築マンションが建ちにくいような場所であれば、築年数が古くても査定額はさほど落ちません。

築年数が経過すればどの物件でも一様に査定額が下落するわけではないというのも、マンション売却で知っておきたいポイントです。

 

中古マンションの査定額につながる要素

査定とは、マンションを売却する場合にどの程度の金額で売りに出すことができそうなのかの目安を専門業者に算出してもらうことです。査定額を算出する方法はさまざまあり、不動産会社によってその方法や根拠とする要素のほか、査定額も変わります。

なお、査定額の算出根拠となる基本的な要素は同じです。物件の収益性や立地条件、各設備の状況、周辺相場などが計算の基礎になりますが、中でも特に変動率の大きい要素が「築年数」です。上記の通り、築年数が経過すればそれだけ査定額は下がり、さらにマンションの修繕費用が多くなるタイミングが近づくと、売却の査定額は大きく下落することになります。

 

マンション価格の下落率

マンションの査定額に大きく影響する築年数による売却平均価格を見てみましょう。

東日本不動産流通機構が2019年2月27日付で発表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」を見ると、売却平均価格は新築から築3~6年にかけて急激に下落します。また、築7年~18年にかけては下落率が少し緩やかになり、その後は築27年くらいまで再び大きく下落していきます。築30年以降は下落しないか、逆に上昇に転じます。

図:中古マンションの築年帯別平均価格

(出典元:公益財団法人 東日本不動産流通機構

 

築3〜6年にかけて大きく下落する理由としては、新築マンションの販売価格に販売会社の利益が上乗せされているためです。そのため、新築マンションは購入してからの数年をかけて利益分が削げ落ちる形で、売却価格も下落します。

また、築18〜27年ごろにかけて大きく下落しているのは、大規模修繕の時期が迫っているのが要因の一つです。さらに室内の設備も老朽化し、入れ替える必要が出てきます。キッチン設備やバスタブなども中古物件として販売する際に新しくしたいと思うタイミングになるので、査定額が大きく下げられてしまいます。

 

売却の目安となるタイミングはいつ?

マンションを売却するタイミングは、個人の生活環境によって違います。それでも良い条件で売却できる時期を知っておくと、希望する売却額につなげることができます。

 

大きく下落しない時期

築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」を見ると、築7〜18年にかけては緩やかに価格が低下していることがわかります。もちろん建物の状況や周囲の環境によって異なりますが、大きく値下がりしない時期であれば、じっくりと売却計画を立てることができるので、売却を検討する一つのタイミングになります。

売却を担当してもらうスタッフの実力や、購入希望者との交渉次第で売却活動の期間が長引く可能性もあるので、売却期間の設定は余裕を持って決めることが重要です。

 

金利が低い時期

投資用マンションを購入する際は、ほとんどの方が金融機関の事業用ローン(アパートローン)を利用します。金利は住宅ローンより若干高めで、個人の返済能力と物件の収益性を基に融資額が決定されます。

事業用ローンの種類には、金利が半年ごとに見直される「変動金利」と、金利が一定の「固定金利」の2つがありますが、ほかにもさまざまなタイプがあります。例えば、返済開始から一定期間の間は金利が低く、それを超えると金利が高くなるなど、返済期間によって金利が変わるタイプもあります。

金利が高くなれば利息分が増えて返済金額も増えるので、その前に売却するのもタイミングの一つです。築3〜6年を超えると下落率は緩やかになるので、そこから金利が高くなるまでの間に売却するのも一つの目安になります。

一方、金利が低くなれば返済金額は減るので、売却を検討するタイミングになるでしょう。

金利に変動がないタイプであれば、査定額が再び大きく下落する築17年頃になるまでに売却を検討するといった方法もあります。

 

税金が安い時期

個人で所有している不動産を売却する場合、所有期間によって譲渡所得税(所得税+住民税)の税率が以下のように変わります。

不動産の所有期間※ 税率
5年以下 39.63%

(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)

5年超 20.315%

(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

※所有期間は売却した年の1月1日時点で計算される

5年以下か5年超で譲渡所得税は倍近く変わるので、税金の支払いを安く抑えたい方は、所有期間をよく確認してみましょう。

 

不動産価格上昇のタイミング

新築マンションの価格水準が上昇しているタイミングでは、中古マンションの価格も上昇しています。新築マンションの価格が高騰している影響で中古マンションの割安感に人気が集まり、中古マンションの価格も上昇していると言えます。

東京カンテイの調査によると、2014年当初と比べ東京23区は約40%、大阪市は約50%上昇しています。また、価格の上昇により買い替えで「売却益」を得る人も増えており、不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査<第24 回(2019 年度)>」によると、首都圏で住宅を買い替えた人のうち、売却価格から購入時価格を差し引いた額がプラスの世帯が4割近くになっています。

※東京カンテイWEBサイト(プレスリリースより):https://www.kantei.ne.jp/report/c2019.pdf

※不動産流通経営協会WEBサイト:https://www.frk.or.jp/index.html

このような不動産市場の場合も、売却の検討に適したタイミングになります。

 

マンション売却を成功させるポイント

中古マンションの売却を成功させるには、築年数の他に注意するべきポイントがあるので、ご紹介します。

 

信頼できる不動産会社を選ぶ

マンションの売却を考えたら、まずは不動産会社に査定を依頼します。複数の不動産会社に依頼すれば、それぞれが独自に算出した査定額を提示してくるので、どれくらいの価格で売却できそうかの相場が掴めるでしょう。

なお、一番高い査定額を提示した不動産会社に頼めばその価格で売却できるのかというと、そうとは限りません。あくまでも購入者がその価格で購入するのが妥当と思わなければ、いくら査定額が高くても売れないのがマンション売却の難しさです。

複数の不動産会社に査定を依頼した際に、極端に高い査定額を提示するところは注意が必要です。

 

もちろん営業力が高く提示した高い査定額どおりに売却できる可能性もありますが、初めて査定してもらっている場合は、営業力の高さを見極めることは困難です。査定額をそっくりそのまま鵜呑みにするのではなく、複数の不動産会社での査定額の平均値プラス20%程度を考えておくといいかもしれません。

一番高い査定額で売却できれば、それはそれでラッキーとくらいに思っておくのがいいでしょう。

売却期間を長引かせたくない場合には、妥当な査定額を提示する不動産会社を検討することも重要です。マンション売却は、売却を仲介する不動産会社の手腕が問われる側面も大きいので、信頼できるパートナーを選びましょう。

 

 

人の移動が多い時期

マンション売却では、季節や時期選びも重要なポイントになります。不動産は年度が変わる時期や転勤の多い時期に賃貸需要が多くなるので、売却価格も高めになる傾向があります。例えば、毎年1〜3月にかけては引越しや新生活の準備で人の移動が活発になるため、不動産価格は高くなり、その時期が過ぎると需要が落ち着くので、売却価格も低下していきます。

マンションを売却する場合は、購入需要の多い時期を選ぶと希望通りの価格で売れることもあります。不動産会社と相談するなどして、マンションが最も高く売れる時期を検討しましょう。

3-3 空室が増えてきたとき

家賃収入が減ってキャッシュフローが悪化してきたときも売却を検討するタイミングです。空室対策として外観を塗り直したり、内装をリフォームしても入居者が増える見込みがない場合は、そのまま持ち続けるよりも売却手続きを進めたほうが良い場合もあります。

なお、空室リスクを下げる方法として、不動産会社が家賃保証をしてくれる「サブリース」というシステムもあります。家賃の1〜2割程度の費用を支払うことになりますが、賃料収入の目処が立ちやすくなるので、次の投資用不動産の購入資金にすることもできます。

 

まとめ

投資用マンションの資産価値は築年数や収益力に応じて下落していきますが、その下落率は常に一定ということではなく、タイミングや諸条件によって急激になったり緩やかになったりします。そのため、下落するタイミングに応じてマンションの売却を検討するタイミングも変わってくるでしょう。希望通りの価格で売却したい方は、複数の不動産会社に査定を依頼して資産価値の確認をした後で、信頼して売却を任せられるパートナーを選ぶことが大切です。