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会社員が厳しい融資審査をクリアする9つのポイント

サラリーマン 融資条件

金融緩和、マイナス金利、相続税改正などの影響から、不動産向け融資がバブル期を超えて過去最高を記録するなど、過剰融資に警戒し、最近では金融機関も融資に慎重になっています。

そんな中でも、あなたが金融機関からの融資を利用して不動産投資を実現しようとする場合、有利な融資条件を手に入れたいと思いませんか?

ここで忘れてはいけないポイントがあります。不動産投資をしようとする物件が良ければ融資が可能と思われているケースが多いのですが、実際は物件が良くても誰でも買える訳ではないという事です。

金融機関は、あなた自身を評価します。

例えば、あなたの年齢、家族構成、年収、勤務先、勤務年数、資産背景(預貯金などの金融資産、所有不動産など)、借入額なども総合的に評価するのです。

つまり、金融機関は「あなたにお金を貸しても大丈夫か?(返済してもらえるか?)」という視点でも評価するため、どんなに物件が良くても買えない場合があるのです。

今回は、金融機関によって審査基準や基本的な融資条件は異なりますが、会社員の方が有利な条件で融資を受けるためのポイントをまとめました。

 

1. 貯金が多い

融資を受けるためには、最低限の金融資産=預貯金が必要です。少なくとも物件購入時に必要となる諸経費相当分(物件価格の約10%位が目安)は、準備する必要があります。

金融資産が多ければ、その分多くの融資を受けることが出来ます。つまり、大きな物件を取得することが可能です。

「自己資金ゼロで不動産投資!」という話を聞きますが、これは金融資産がなくても不動産投資が実現できるという事ではありません。家賃の下落や空室率の増加による収入の減少や、金利上昇や修繕費用などの支出増加になっても、対応できるだけの金融資産を持っていることが前提となっています。なぜなら、お金が無くなり生活が行き詰れば返済が滞ってしまうリスクが高まるからです。

つまり、そのリスクを許容できるだけの金融資産がなければ融資を受けることが出来ないのです。

物件購入後も預貯金や不動産などの資産と借り入れとのバランスで、債務超過状態にならない状況であることが重要です。特に、資産全体での金融資産の割合が高いほど融資条件が良くなると言えます。

また、金融機関にとって貯金が多くある方は、「堅実にお金を貯めることができる」、つまり無駄使いしないという視点も評価します。

よって、お金を貸して不動産投資をしても無駄使いせず、確実な返済が見込まれると判断し、返済不能になるリスクが少なくなるので、条件の良い融資が受けられるのです。コツコツと貯金をしておくことが、大きな資産を手に入れる布石でもあるのです。

 

2. 年収が高い

給与所得のある会社員は生活を支える毎月の安定収入があり、自営業の方と比べると融資条件が有利になる可能性があります。

また、年収が高ければ高いほど融資条件は有利になります。収入が多ければ不動産投資のリスク対応力も高まり、返済が滞るリスクが低減されるからです。

一般的に、融資を受けるための最低年収は「500万円以上」、限度額は年収の「5倍」程度が一つの目安になっていると言われていますが、実際にはそんなに単純なものではありません。年収も含めてあなたの属性で判断されます。年収が高ければ借入限度額も多くなるのです。

一方で、収入が何千万という高額所得者でも、貯蓄額が少ないと融資条件が厳しくなる場合があります。

収入に見合う貯蓄が手元になければ、「不動産投資で得た収益も無駄使いする」として見なされてしまうのです。

結果、不動産事業を健全経営できないのでは?という憶測が生まれてしまうため、融資条件が厳しくなったり、断られたりしてしまいます。

 

3. ご家族・親族を含めた預貯金などの資産背景や世帯収入が多い

年収500万円以下の方や専業主婦でも不動産投資の融資を受けることができる場合があります。その理由は、融資を受けるご本人の属性のみで評価するのではなく、ご両親・ご家族を含めた世帯全体の資産背景により金融機関は融資を判断します。

ご本人の生活が出来ているかどうか。それは、ある意味ご主人だけの所得ではありません。奥様も所得がある場合には、世帯収入として合算で評価されます。もう一つ、ご両親の属性も影響する場合があります。

例えば、あなた自身が満足な預貯金が確保できていなくても、ご両親が十分な預貯金や不動産を所有しているならば有利です。

ご両親の資産背景が評価される理由として、いずれ相続が発生した際は、その資産を相続することができるため、ご本人の資産背景としてもみなされる場合があるのです。

また、預貯金などの資産背景や年収の高い方が保証人になることや、連名での不動産投資をするなど、工夫で有利な融資条件を手に入れることができるのです。

有利な条件で融資を受けて不動産投資を実現するには、ご家族の同意を得て協力し合うことが大切です。

 

4. 勤務先の与信力が高い

勤務先の安定性も判断基準となります。勤務先が万が一倒産するような状況であれば、会社員の方の収入がなくなり、不動産収入での生活を余儀なくされます。その結果、金融機関にとっては返済不能リスクが発生するからです。

一般的に、勤務先の創業年数、従業員数、資本金、売上高、事業内容、発展性などの社会性なども踏まえて審査されます。よって、経営基盤がしっかりとした与信力の高い勤務先であれば、融資が受けやすく有利と言えます。

 

5. 雇用形態

パートなどの非正規雇用社員と呼ばれる雇用形態の場合は、一般的に融資を受けることが難しくなります。金融機関は、正規雇用の会社員や士業の方のような安定した収入のある方を評価します。

しかし、専業主婦でも融資を受けている事例もあります。それは、個人の属性だけではなく、両親・家族を含めた世帯で属性を判断するからです。

大手企業勤務のご主人の属性により不動産投資を行っている専業主婦の方や、ご両親が資産家で不動産事業を行っているため、その属性により不動産投資を行っている方の事例もあります。

会社員でも役職なども影響されます。例えば、会社役員と一般社員では当然に収入も差が出ますし、高い役職の方が高評価です。

 

6. 勤務先の勤続年数

企業に長期勤務しキャリアアップしていることで、安定収入が確保されている実績にもなり、有利になります。

一般的に3年以上同じ企業に勤務していることが目安ですが、3年未満であっても転職先が優良企業で年収がアップしているなど、キャリアアップの転職ならば評価されます。

 

7. 年齢

融資の期限は、遅くともご本人の年齢が80歳完済を目安にしているところが多いです。

会社員としての収入は60歳もしくは65歳で定年を迎えることとなるので、いつまでも同じ年収が確保されません。

結果、アパート・マンションの収入が生活費に充当された場合、返済が困難になるリスクを考えるからでしょう。

しかし、事業継承者として配偶者や子どもを保証人につけるなどにより、長期の融資を組むことは可能です。

 

8. 借入総額と資産背景のバランス

初めに金融機関がチェックするポイントでもあります。

借入するご本人が債務超過状態では、融資は受けられません。住宅ローン、自動車ローン、カードローンなどを利用していた場合、さらに不動産投資の融資を行った場合には返済してもらえるだけの余力があるのかどうか判断します。

収支は良くても、物件価格での評価が借入残高(借入枠)の方が多くなっている場合は、債務超過状態です。

この場合は、万が一の時に物件を売却して借入返済できない状況になっていると判断され、融資を受けることが出来ません。

よって、資産背景と借入総額のバランスも意識しましょう。

 

9. 法人化

あなたが一会社員(個人)として不動産投資の融資を受けるのではなく、法人を設立して不動産投資をする方法です。

個人での融資がNGでも、法人化すればOKとなる金融機関もあるのです。

法人化することで、家賃収入などの所得の分散を図ることが出来、所得税対策などの節税にも効果があります。将来的にも不動産投資による事業展開を考えるならば、法人化は融資が受けやすいという視点だけではなく、節税や資産形成にもメリットがあると言えます。

 

まとめ

金融機関は融資が確実に返済される見込みがあるかどうかを審査します。

つまり、不動産投資をする方が貸したお金を確実に返済してくれるのかどうかが一番のポイントです。

金融機関に融資の申し込みをする際に審査されるポイントとして、ご自身の属性(年収、勤務先、資産、借入など)に関する資料提供を求められます。これは物件の評価のみならず、あなた自身の属性を評価しているのです。

今回の9つのポイント全てを満足させることは難しいかもしれません。しかし、9つのポイントの内、あなた自身の努力で手に入れることができるものがありますよね。

それは、貯金をはじめ、年収・勤務先・勤続年数・雇用形態などの仕事に関する事項です。あなたが現在勤務されている会社での仕事もステップアップすることで、不動産投資が実現しやすくなります。

物件選びも重要ですが、あなた自身の属性も高める必要があるのです。中古の区分所有マンションなどは、数百万円から流通しています。最初から無理をせず、数百万円の金融資産を貯め、駅近の中古区分マンションから不動産投資をはじめてみてはいかがでしょうか?

あるいは、10万円~100万円程度で始められる不動産の小口化商品といわれるものも販売されています。

1千万円以上の預貯金が確保できたら中古の木造アパート、数千万円で新築木造アパートや鉄筋コンクリートマンションに買い替えるなどのように、資産形成のステップアップを考えましょう。

さらに、法人化を組み合わせた不動産投資は、個人では限界がある節税対策や資産形成など、不動産事業の発展にも有効です。

将来、法人化による不動産事業の拡大も目標にし、キャリアアップを目指した仕事をするという働き方も夢がありますね。

 

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