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「木造アパート」と「RCマンション」不動産投資をするならどちらが良い?

木造アパート RCマンション どちら

木造アパートとRC(鉄筋コンクリート)マンション、不動産投資をするならどちらが良いかと比較されることがあります。

その答えは「あなたの不動産投資の目的にあった方はどちらなのか?」で物件を選べば良いのです。

なぜなら、それぞれに短所と長所がありますが、不動産投資の目的によっては、短所が長所に、長所が短所になる場合があるからです。

また、短所と言われているものは、実は短所ではないことも多々あります。

今回はそれぞれ一般的に言われている長所・短所を検証しますので、物件選びの参考にして下さい。

 

一般的な長所・短所の比較

木造アパートの長所 木造アパートの短所
利回りが高い

物件価格(工事費)が安い

減価償却が早い

維持費・修繕費が安い

固定資産税が安い

耐久性・耐火性・耐震性が低い

遮音性(防音性)が低い

法定耐用年数が短い

劣化が早い

RCマンションの長所 RCマンションの短所
耐久性・耐火性・耐震性が高い

遮音性(防音性)が高い

高度利用が可能

法定耐用年数が長い

融資期間が長い

資産価値・賃料が下がりにくい

入居募集がしやすい

物件価格(工事費)が高い

維持費・修繕費が高い

固定資産税が高い

利回りが悪い

上記のように、それぞれ長所・短所が言われており、あなたのイメージも同様ではないでしょうか?

 

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長所が短所に、短所が長所に?

ところが、一般的に言われる長所・短所は本当でしょうか?

それぞれのポイントを比較検証してみます。

 

維持費・修繕費が高い・安い

維持費・修繕費が高い・安いと比較されますが、本当は長所と短所を単純には比較できない要素があります。

例えば、4階建20戸のRCマンションと2階建6戸の木造アパートを比較すると、規模の大きいRCマンションの方が維持費や修繕費は高くなるのは当然です。

また、エレベーターなどの設備がついているRCマンションの方が高くなります。

よって、木造アパートとRCマンションが同規模ならば「高い・安い」を比較することはできるのですが、そもそも規模や設備が異なる場合が多いので、一概に言い切れません。

また、同じ間取りならばRCマンションの方が賃料は高く設定でき、賃料下落も緩やかになるのが一般的なので、物件毎の収益性を含めて比較検討すべきです。

 

法定耐用年数が長い・短い

減価償却費を計算する際の法定耐用年数は、「RCマンションは47年」「木造アパートは22年」と用途・構造ごとに定められています。

法定耐用年数を比較すると、RCマンションは2倍以上の年数です。

これだけ見ると、RCマンションの方が断然優れているように思われます。

ところが、木造アパートでもコストをかければ劣化対策等級などの長寿命化を図った仕様も一般的になっており、法定耐用年数は22年でも、仕様により30年以上長持ちするように配慮されています。

また、新築でも減価償却期間が22年と短い木造アパートは、早期に減価償却できるため、所得税の節税効果を最大限発揮できるメリットもあります。

特に中古の木造アパートは減価償却期間が短いため、RCマンションと比べると節税効果が高くなります。

一方で、RCマンションでも法定耐用年数が経過した物件は減価償却期間が短くなるため、所得税対策上、同様の効果があります。

 

物件価格が高い・安い

木造の方が安いと言われますが、その理由はRCマンションと比較し、規模が小さいためです。

購入価格が高い・安いではなく、木造は物件が小規模のため、総額が低いということです。

確かに、工事費(坪単価)を比較すると、RCマンションの方が高価になりますが、同規模で比較すると、2倍の工事費までは差がありません。

法定耐用年数に基づく建て替えを比較すると、木造アパートは2倍の予算が必要という考えもできます。

よって、長期所有の視点では、法定耐用年数の長いRCマンションの方が資産価値が高いまま所有できるとも言えるため、どっちが得かは比較できません。

 

耐久性・耐火性・耐震性が高い・低い

RCマンションは構造体が鉄筋とコンクリートにより建設されており、耐火性能に優れています。

また室内の機密性が高く、室内温度もコントロールもしやすいため、省エネ効果も期待できます。

火災保険料が安く、返済期間が長期の融資も利用可能といったメリットもあります。

ところが、最近の木造アパートはコストをかけて劣化対策等級や防火性能を高める仕様もあり、従来と比べ耐久性・耐火性・耐震性が高いものなっています。

よって、火災保険や融資の条件面でも、さほど不利にはなりません。

 

遮音性(防音性)が高い・低い

遮音性は構造部分の密度によるところが大きいので、これはRCマンションに軍配が上がります。

但し、間取りの工夫(上下階の水周りの位置統一、界壁の遮音性能向上、居室が隣接しない間取りなど)により、木造アパートでも遮音性能を高めることが可能です。

 

入居者募集がしやすい

一般的には、入居者に人気があるのはRCマンションとなり、家賃も高く貸すことができ、家賃の下落率も低いと言えます。

 

融資期間が長い・短い

RCマンションは法定耐用年数が長いため、中古物件でも長期の融資を受けやすくなります。

但し、木造アパートも劣化対策等級の取得により、長期の融資が可能になります。

金融機関によっては対象年数が過ぎた物件でも、あなたの与信や収益性などを加味し、ある程度の長期で融資を受けることが可能です。

 

利回りが高い・安い

RCマンションの物件価格は工事単価が高額になるため、利回りも木造より低いのが一般的です。

しかし、家賃設定はRCマンションの方が高く設定できるため、そこまで大きな差は生まれません。

また、RCマンションは法定耐用年数が長いため、中古でも有利な条件で融資を受けやすいことから、収支(キャッシュフロー)が良くなるケースがあります。

法定耐用年数が長いということは、転売もしやすいと言えます。

このように、法定耐用年数を比較すると建物の初期投資額をはじめ、維持管理費を含めた生涯コスト(ライフサイクルコスト)はRCマンションの方が低くなり、収益性が高くなる可能性も十分考えられます。

更に、規模が大きくなることから、特に相続税に対する節税効果も大きくなります。

 

固定資産税が高い・安い

RCマンションは建物評価が高くなるため、その分固定資産税も高くなります。

しかし、資産価値が高いからこそ評価も高いと言えるため、融資の担保評価が高いなど、一概に短所とは言い切れません。

 

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まとめ

木造アパートとRCマンションを比較して一般的に言われている長所・短所について、一般論だけでは判断できないことが多くあります。

あなたの不動産投資の目的により、長所が短所に、短所が長所にもなるからです。

木造アパート・RCマンションそれぞれの特徴を把握し、無理のない範囲であなたの不動産投資の目的に適した物件を選択することが重要なのです。

例えば、あなたが初めて不動産投資を行うならば、最初は無理をせずに小規模な木造物件を購入し、徐々にステップアップすることが大切です。

最終的には、資産価値や規模の大きなRCマンションも1棟所有できるようになれば、得られる収益も大きくなります。

子どもたち・孫たちにも、資産を受け継いでいけることが出来るのも不動産投資の魅力です。

そのためにも、木造アパート・RCマンションの特徴を理解し、不動産投資全体のバランスを見て、戦略的に資産形成を考えることが重要です。

 

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