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空室対策や不動産売却時にも有利|ホームステージングを解説

不動産投資 空室 売却 対策

不動産売却で売主にできることと言えば、売却時期を考えたり、見積もり金額の高い仲介業者を選んだりする程度と思っていないでしょうか。もちろん物件の売り時や仲介業者を見極めることも大切ですが、魅力的な室内空間を演出して物件を良く見せる「ホームステージング」をすると、希望どおりの金額で売却できる場合もあります。

今回は、不動産をなるべく高く売却したい方のために、ホームステージングの特徴や演出する際のポイント等について詳しく説明しますので、ご参考ください。

 

ホームステージングサービスとは

ホームステージングとは、売却するマンションなどの室内を、家具やインテリアで魅力的に演出することを指します。

マンションや戸建てを販売する会社は、多くの場合、モデルルームを用意しています。同じ物件でも、家具も何もない部屋と魅力的なインテリアで演出した部屋とでは、見た人の印象は大きく違うため、見学者に「こんな素敵な部屋に住んでみたい」と思ってもらうことが、ホームステージングの役割となります。

ホームステージングで使用する家具や家電、インテリアなどはホームステージングのコーディネーターが選んでくれます。それをレンタルする形で部屋を演出するため、売却するまでの間はレンタル料を支払う必要があります。

また居住中に売却活動をする場合にも、同じようにレンタルでインテリアコーディネートします。もともと使っていた家電や小物などは業者が保管しておいてくれます。そのため居住中にホームステージングを利用すると、購入者目線でモデルルームに居住した感じを味わうこともできます。

 

ホームステージング需要は増えている

ホームステージングはこれまで首都圏を中心に導入されてきましたが、現在は次のように日本全国で導入されています。

・地域別に見たホームステージング件数

空室ホームステージング件数 賃貸ホームステージング件数
関東 64.6% 72.5%
近畿 23.8% 11.0%
東海 3.5%
北陸・信越 2.4% 5.0%
中国 2.3% 10.5%
東北 2.2% 0.5%
九州 0.8% 0.5%
四国・沖縄 0.2%

(参照:「ホームステージング白書2018」より)

 

日本ホームステージング協会は、空室物件のホームステージング需要について、「(2017年頃までは)首都圏だけで展開しているように感じている方も多かったが、今回の調査では東北や北陸、信州、四国や九州・沖縄にもホームステージングが広がりを見せている」と述べています。

また、賃貸のホームステージング需要については、「今後は大都市圏を中心に、それ以外の地域へと波及していくことが考えられる」としています。

 

ホームステージングのメリット・デメリット

ホームステージングにより売却物件の内装を魅力的に演出することで、購入希望者の早期発見や、満額成約に結びつくこともあります。ホームステージングのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

 

空室期間の短縮化

大きなメリットとして考えられるのは、売却までの空室期間を短縮できることが挙げられます。特に住宅ローンが残っている場合、売却までの時間がかかるとローン返済の負担も増加します。ホームステージングを導入せずに負担するローン返済金額よりもホームステージング費用のほうが安ければ、効果はあると判断できるでしょう。

 

満額成約につながる

さらに部屋を魅力的に演出することで、売却金額を高く設定することも可能です。上記の賃貸物件における家賃の違いを見ても、ホームステージング導入後のほうが家賃額は上がっています。もちろん費用はかかりますが、費用以上の効果が期待できることがサービスの普及につながっています。

 

業者選びは難しい

ホームステージングはまだ新しいサービスです。中古物件の売買がメインのアメリカではホームステージング市場も成熟していますが、日本ではまだ手探り状態です。提供する業者は増えていますが、その費用対効果など未知数と言える部分も多くあります。

そのひとつとして、どのサービス業者を選べばよいのかという課題があります。新築物件のモデルルームにおけるノウハウは蓄積されていますが、これがそのまま中古物件にも応用できるわけでもありません。

そのため売主としては、どの業者を選べばよいのかで迷うのはデメリットと言えるでしょう。さらに都心部ではホームステージングの業者が増えていますが、地方都市で業者を探すのはさらに難しくなることが予想されます。

 

ホームステージングの実際の効果は?

ホームステージングを施した場合、実際にどれほどの効果があるのかについては、空き家や中古住宅の活性化を目的に設立された一般社団法人「日本ホームステージング協会」が発表しているデータが参考になります。

日本ホームステージング協会が発表している「ホームステージング白書2018」によると、例えば売却物件が空室なら、ホームステージングを導入してからは平均58日で成約に至り、賃貸の場合は平均33日、在宅だった場合は平均29日で、それぞれ成約に至っています。

ホームステージングの調査データは少ないため、現時点ではあくまでも目安としての参考値になりますが、上記でご紹介したデータは、いつまで空室が続けばホームステージングの導入に踏み切ればよいのか、その効果はどの程度あるのかの参考になるでしょう。

また、ホームステージングに要する費用は次の通りです。

物件タイプ 費用
空室 223,480円
賃貸 68,337円
在宅 73,841円

空室をホームステージングする場合の平均費用は223,480円ですが、売却物件にこの費用を上乗せできれば、ホームステージングを利用しても損はないと考えることができます。空室期間を短縮できれば、ローン返済費用の負担削減にもなります。

一方、在宅での売却の場合、費用は平均73,841円で、導入前の空室期間70日に対して導入後は平均29日での成約というデータになるため、ホームステージングによる効果は期待できると考えてもよいでしょう。

賃貸物件の場合には導入費用の平均は68,337円で、ホームステージング導入前の平均空室期間91日に対して導入後は平均33日後に成約となります。さらに賃貸物件でホームステージングを導入する前と後では、次のように変わります。

 

・導入前 67,358円

・導入後 68,691円

 

ホームステージングではそれなりの費用もかかりますが、早く売りたい場合や、入居者をつける場合にも効果があることがわかります。

 

ホームステージングで意識したい3つのポイント

ホームステージング業者を選ぶためには、どのような演出をしているのか、その実例を見ることが重要になります。そこで、ホームステージングでは何を意識すれば効果を高めるのかを知っておきましょう。

 

ターゲットを限定しない

集客力を高めるために、できる限りターゲット層を絞らないことが重要です。ファミリー型のマンションであっても、子どもは何人で夫婦共働きか否かなど、条件を絞ってしまうと集客力が落ちてしまいます。できる限りいろんなパターンの家族にアピールできるインテリアを心がける必要があります。

 

視線の動きを意識する

インテリアの配置では、視線の動きを意識することも重要です。家具の配置や小物、壁に飾る棚、カーペットの色や照明器具などにこだわることで、部屋をより広く見せたり、奥行きを出すこともできます。

部屋に入ったらどの順番でインテリアや家具の使い方をチェックするのかについて、購入者目線で考えておきましょう。

 

生活感を排除する

生活感を排除することも、ホームステージングでは重要なポイントです。新築物件のモデルルームを見るとわかるように、素敵に思える部屋はどれも生活感がありません。居住しながらホームステージングを利用すると生活しにくいこともありますが、非現実的な空間を演出するからこそ、魅力的に感じることもあります。

 

物件購入時はホームステージングに騙されるな!

これまでは売主や賃貸人の立場からホームステージングについてご紹介してきましたが、逆に購入者や賃借人の立場からも考えてみましょう。

ホームステージングは物件の魅力を伝えることが目的です。ただの空間では生活環境としてのイメージが湧かずに集客できません。

しかし、ホームステージングはあくまでも室内の演出をするのが目的であって、物件の立地や建物のグレードなどをカバーするものではありません。魅力的に演出された物件を内覧すると、その印象が強すぎて住環境や共有部分のマイナス面を見て見ぬフリをしてしまう可能性もあります。

ホームステージングを考える側としてもその点は考慮する必要があるでしょう。売買の話が進んでも、後でキャンセルされることにもなりかねないからです。

 

まとめ

ホームステージングをする業者は近年増えてきていますが、いかに魅力的な部屋に演出するのかは、コーディネーターの腕次第です。今後の不動産売却では、売却の仲介業者選びに加えて、ホームステージング業者選びも高値で売却するための重要な要素になります。ホームステージングサービスの利用を検討している方は、費用対効果をしっかり検討しながら、信頼できる業者を選んでください。