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リノベーション投資の全知識|失敗しない中古物件の選び方

中古物件 リノベーション 投資

不動産投資の方法の一つに、「リノベーション投資」があります。

中古物件を安く購入し、リノベーションによりその物件を再生して収益を向上させ、利回りを高くして運用または売却益を得る方法です。

しかし、すべての中古物件がリノベーション投資に適している訳ではありません。

あなたがリノベーション投資にチャレンジしてみようと思うならば、物件選びには注意が必要です。 今回は、はじめてリノベーション投資を行う方が失敗しない物件の選び方をご紹介します。

 

リノベーションとリフォームの違い

リノベーションとリフォームとでは、本質的な意味合いが異なります。 混同されやすいのですが、リノベーション投資を考える前に、正しく意味合いを理解しましょう。

リフォーム(Reform)は「Re + Form」なので、「形を元に戻す」という意味になります。 つまり、古くなったものを、新築当時の状態に戻すことと考えられます。 原状回復のための修繕や改修、不具合等の対応などが当てはまります。

一方で、リノベーション(Renovation)は「Re + Innovation」となり、「革新」「刷新」「一新」といった意味になります。 単純に古いものを新しくするという発想ではなく、古い建物を見直し、新たな価値の創出や今ある価値を高めることがリノベーションと言えます。

 

リフォームとリノベーションの違いを正しく理解しよう

 

賃貸物件リノベーションの心得

あなた自身が住む家をリノベーションするのであれば、自分の好きなデザインや間取りを検討すれば良いのですが、賃貸物件としてリノベーションする場合、入居者に住みたいと思ってもらうことが重要です。

独りよがりなリノベーションでは入居者が喜ぶとは限りません。入居者ターゲットを踏まえ、立地にふさわしいリノベーションをすべきです。

前述の通り「リノベーション」とは「リフォーム」ではありません。見た目を新しくすれば良いのではなく、ターゲットとする入居者の需要に合わせたリノベーションを心がけ、どんなコンセプトにするのか、どんなデザインや間取りが人気なのか、専門家にも相談しながらプランニングしましょう。

 

リノベーションに適した中古物件の見つけ方

リノベーション投資を成功させるためには、物件の価値を高めることにより安定的に満室にできる、あるいは家賃設定もUPできる物件を見つける必要があります。

中でも一番重視すべきポイントは、やはり立地です。
建物の古さや入居者ニーズとのミスマッチはリノベーションで改善することができますが、立地は変えようのない要素だからです。

とは言っても、駅近・徒歩圏というような話ではなく、賃貸需要がしっかりとしている人気エリアの立地であることが重要です。

一般的には駅近・徒歩圏の物件がベストと言われていますが、不動産価格上昇の影響を受けて、物件価格が上昇し、利回りに魅力がない物件が目立つようになりました。

キャッシュフローが回るのか?と思わざるを得ない物件も多く存在します。また、本来はもっと安くなるはずの物件までも、高値となっている場合も多々あります。

どんなに入居者ニーズがあると言っても、価格が高すぎては収支が回らないリスクがあります。人気のある立地のために賃貸物件が大量供給され、結果として供給過剰となってしまった立地も空室リスクが高いため、お勧めできません。

賃貸需要がある立地とは、結果として駅近・徒歩圏などの人気のある立地が一般的ですが、入居者ターゲットによって立地の需要が異なることも理解しておきましょう。

 

賃貸需要のある立地は駅近物件だけではない

以前と比べて、働き方や暮らし方の多様化が進む中、暮らす場所へのニーズも多様化しています。
そのため、賃貸需要のある立地は、入居者ターゲットによっても異なります。

例えば、ターゲットが子育て中のファミリーであれば、必ずしも駅近である必要はなく、閑静な住宅街で周辺に公園があり、保育園や小学校などの教育施設が近いなど、むしろ郊外が良いケースもあります。スーパーなどの生活利便施設などが近くにあり、治安が良いことも重視されるポイントです。

単身者や子どもがいない夫婦をターゲットにする場合、周辺施設よりは勤務先への交通アクセスが重要です。
社会人の方は、駅などから近い立地を好む傾向があります。朝ゆっくりしたい人にとっては、なおさら重視するポイントです。

一方で、駅近は家賃も高くなるため、郊外の安い賃料を求める方もゼロではありません。この場合では、バス路線はチェックしたいポイントです。郊外立地の場合、駐車場があることも重要な要素になる場合があります。

最近は車を所有する世帯が減っており、住宅が満室でも敷地内駐車場には空きがあるケースも目立っています。ところが、地域によっては世帯当たり2台分の駐車スペースが好条件になるケースがあります。

学生向けは、大学へのアクセスと同時にアルバイト先にも便利な立地が重要です。

また、住まいではなく趣味にお金をかけるライフスタイルの方もいます。サーフィンなどのマリンスポーツを求める方は、「駅近」ではなく、「海近」を優先するケースなどです。

このように、駅近にこだわらず、ライフスタイルにあった暮らしを求める需要が一定数存在します。

 

リノベーション投資を成功させるための物件選びと注意点

 

入居者ニーズを捉えれば、家賃収入・収益性を高められる

実際には入居者ニーズがあるにもかかわらず、そのニーズに見合わない賃貸物件が供給されていることにより空室が発生し、家賃の下落も進んでいる地域があります。本来持っている立地のポテンシャルを活かしておらず、空室の発生や家賃の下落につながっています。

そんな立地こそ、リノベーション投資に向いています。
なぜなら、入居者ニーズのある立地で空室が多い中古物件を安く手に入れることができるからです。

 

郊外の戸建て貸家物件という選択肢もあり

郊外立地はファミリー層に適した立地です。よって、郊外では安い戸建て貸家に投資するのも一つの方法です。
ちょっと郊外に目を向けると、数百万で売りに出ている物件があります。

例えば、500万円で貸家を購入し、リノベーションに300万円の費用をかけたとします。
合計800万円の投資です。

家賃8万円/月で入居者を決めることができれば、年間96万円の収入です。
これにより、表面利回りは12%の投資です。

リノベーションして入居者を決めることができれば、効率の良い運営になります。
将来的には、中古戸建て住宅としてマイホーム取得者に売却することも可能です。

 

郊外物件の注意点

リノベーション投資とは、人気のない物件を購入して再生する方法なので、駅近などの高値の物件は対象となりにくいため、郊外物件が対象となるケースもあります。

誰もが手を出さない物件に魅力を見出し再生することができれば、高利回りの運用が可能となります。
リスクが少なからず内在しますので、無理した金額での投資は避けましょう。

また、リノベーションを行うにあたり、工事費用が必要となります。収益を向上させて、購入時の利回りよりも高く運用することが目的です。そのためには、空室の多い物件で、想定家賃が周辺相場よりも低く、満室時想定利回りが高い物件がベストです。

但し、一般的に投資物件の立地として郊外は敬遠されるので、転売による売却益を期待することに対しては注意が必要です。

長期的なスパンでの運用を考えておき、将来売却時に価格が下落してしまっても、トータルで損をしないという計画をイメージしておく必要があります。

 

一等地の中古物件は適正価格の見極めが重要

都心をはじめ、こんな良い場所になぜ古い建物が存在するのだろうか?と思われることはありませんか?

その理由は、昔から利便性の良い・住みやすいと言える市街地には古くから建物が建てられているからです。今でも古い建物が存在するので、このような一等地の中古物件が売りに出される可能性も高いのです。

立地が良いため中古物件であっても価格は高くなりますが、立地のメリットを活かしてリノベーションすることにより、収益(利回り)が向上することはよくある話です。

しかし、一等地が故に人気のある場所でもあり、本来の物件価値と価格が見合わないくらいに高値で売りに出されるケースがあります。

立地が良いからといって高値で購入するのではなく、適正な価格を見極めることが重要です。

 

構造上リノベーションできない部分もある

立地以外に考慮しておくべき点として、リノベーションでは間取りや設備、デザインの大幅な変更は可能ですが、変えられないものもあります。

その主な点をご紹介します。

  1. 窓(開口部)

区分所有マンションの場合、窓は共有部分となり、日当たりや風通しが悪いからと言って新しく窓を作ることはできません。

一棟アパートやマンションの場合には、新たに窓を設けることに対して構造的に問題がないか確認が必要となり、可能な場合でも大きな費用が必要となります。

  1. 天井の高さ

天井を高くするためには、天井が二重になっていれば天井板を外すことで、ある程度高さを確保することができますが、直天井の場合には困難です。

  1. 水回りの位置

アパート・マンションなどの共同住宅の場合、上下階でキッチン・洗面・トイレ・風呂などの水回りの位置が決まっています。

そのため、給排水などの配管の位置も決まってしまっているために、間取り変更などによる水回りの大きな移動は基本的に難しくなります。

移動できたとしても、大きな費用が必要となる場合があります。

  1. 築年数

物件購入で融資を受ける場合、金融機関によっては築年数により融資期間が短くなる場合があります。

例えば、木造アパート築15年の場合、「法定耐用年数22年-築年数15年=7年の融資期間」として基準を設けている金融機関もあります。

一方で、あなた自身の資産背景を評価する金融機関や、多少金利が高くなる傾向にありますが築年数を考慮せず融資期間を定める金融機関もあるため、事前に融資条件をチェックしておきましょう。

また、昭和56年以前の旧耐震物件にも注意しましょう。

建物の構造がダメであれば、どんなにリノベーションをしようとしても建物そのものが持ちません。耐震補強までするとなれば多額な費用が必要となり、場合によっては新築以上の費用や手間がかかる場合もあるからです。

 

ダメすぎる物件はダメ!購入前のチェック

リノベーション投資を行う際には、可能な限り工事業者やリノベーション専門会社にも一緒に物件を見てもらうことをお勧めします。

プロの目線で、大まかな工事費用が把握できるとともに、場合により、目に見えない建物の構造部分などに潜むリスクを予測することも可能です。

大規模な工事が必要となれば、数百万円以上の予算がかかります。そのような予算を見込んでも収支が成り立つような物件価格であることが必要です。成り立たなければ、リノベーション投資に向かない物件と判断できるのです。

また、修繕では直しきれない状態の物件もあり、このような物件も購入してはいけません。
ダメすぎる物件は、どんなに安くてもダメなのです。

 

極端に安すぎる物件にも注意!

誰もが高く売りたいはずなので、極端に安い物件には理由があると思ってください。
例えば、

  • 老朽化やシロアリ侵食などによる建物の構造が痛んでおり、居住できない・取り壊すしかない物件
  • 再建築不可、建築制限、違法建築、敷地境界が不確定
  • 事故物件、係争問題がある
  • 迷惑施設、暴力団事務所、工場(騒音・大気汚染・悪臭・振動・水質汚染などが懸念)などに隣接

などが考えられます。

このように法律用語で瑕疵(かし)と呼ばれるものや周辺環境が良くない物件など、問題をかかえる物件は買主がなかなか見つかりません。

買主が見つからなければ市場の原理で価格は下がり、格安物件となります。
格安物件に出会ったら、まずは「様々な瑕疵が隠れている可能性が高い」と疑ってみることを忘れないでください。

 

周辺環境が良い再建築不可の物件をリノベーション?

周辺相場と比較して格安で売られている「再建築不可」という物件を目にすることがあります。
これは、接道義務を果たしていないなど建て替えができない物件のことですが、リノベーションは可能です。

このような物件を狙い、格安で購入して収益を得ている方もいますが、はじめてリノベーション投資を行うのであれば、あまりお勧めしません。

なぜなら、再建築不可のため、建物がボロボロになってしまったら貸すこともできず、建て替えもできない資産を所有することになります。

そんな資産を購入しようとする人は限られてしまうので、出口戦略(売却)に支障をきたす場合があるからです。

 

入居者ニーズを把握した失敗しないリノベーション戦略3つのポイント

 

リノベーション投資の失敗例

リノベーション投資における多くの失敗例は「予算の見込みが甘かった」ということがあげられます。

例えば、購入後まもなく構造部の修繕も必要になることや、入居者の退去のたびにエアコンや設備の交換が発生するなど、リノベーション工事費以外に予想以上の修繕費が必要になり、収益が見込めない、あるいは持ち出しという結果になってしまうことです。

このような失敗をしないためにも、購入前の物件確認の際には工事業者やリノベーション専門会社などと一緒に物件チェックした方が良いのです。

販売されている価格を鵜呑みにするのではなく、購入時点での修繕履歴や入居状況などを加味し、リノベーションや修繕費の見込みを適切に判断し、収支計画を検討した価格で購入することが重要だからです。

 

まとめ

リノベーション投資とは、成功すれば大きなメリットを享受できますが、同時にリスクもあります。
空室の多い中古物件を購入してリノベーションするのですから、成功させるためにはノウハウが必要です。

物件を購入しても、予想以上に工事費や修繕費が必要となれば収益が得られません。また、予定通りに入居者募集が可能なのかも不明です。
簡単ではないからこそ大きなメリットが得られるのもリノベーション投資の魅力です。

ある程度経験を積んだ方に適した不動産投資の形とも言えるリノベーション投資ですが、初心者の方でも可能性がゼロではありません。

その唯一の方法は、リノベーション投資のノウハウを持つ業者を見つけることです。

まずは、専門業者に相談してみることからはじめてみてはいかがでしょうか?

 

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