不動産投資は売却までの流れ(出口戦略)を考えた物件選びが重要
出口戦略とは、不動産投資により一定期間運用したのち、売却によるキャピタルゲイン(売却益)を手に入れる戦略のことです。
取得した不動産を売却して利益を得るためには、不動産価値が維持でき、売却しやすい資産であることが必要です。そのためには、継続的に安定収益が確保できる資産価値の高い不動産を選ばなければなりません。
つまり、出口戦略を見据えて物件選びを行うことは、結果として長期に安定収益を維持できる可能性が高まります。そして、まとまった資金が必要となった場合にも売却しやすく、売却益を手にすることが容易になるのです。
つまり、失敗しない不動産投資には、出口戦略を見据えた物件選びが重要なのです。
出口戦略を見据えた物件選びのポイント
安定経営を行うための出口戦略を見据えた物件選びのポイントは、主に次の4つがあります。
1.なるべく築年数の新しい物件を購入する
あなたが不動産投資をする際、金融機関からの融資を受けますよね?
将来売却する際、あなたの物件を購入する方も融資を受けるはずなので、融資が受けやすい物件であることが重要です。
つまり、
「融資が受けやすい物件」=「売りやすい物件」
になるのです。
この融資を受けやすいという要因は、購入者の与信が大きく影響しますが、物件選びで気を付けるべきポイントがあります。
それは、法定耐用年数です。
金融機関によっては法定耐用年数をもとに返済期間の上限が決められている場合があり、法定耐用年数が残っている期間(残存期間と言います。)が長い物件の方が長期の融資を受けやすくなります。
月々の返済額を抑えることができるので、毎月の収支(キャッシュフロー)が良くなります。
例えば、あなたの売却する物件の残存期間が長ければ、仮に同じ価格・表面利回りの他の物件と比較されたとしても、長い期間の融資が受けられるため、収支(キャッシュフロー)が良くなります。よって、あなたの物件が選ばれる可能性が高くなります。
新築もしくは築年数の浅い物件の方が、物件を売却するタイミングでも残存期間が長く残っている可能性があり、将来売却する際、有利な物件と言えます。
築年数の新しい物件や耐用年数の短い木造アパートでも、長寿命化が図られている劣化対策等級2以上の物件など、将来も長期の融資を受けることが可能な物件を選んでおくことも重要です。
そうすることで、あなたが融資の借り換えを行う際、収支(キャッシュフロー)の改善や所得税対策などにも有効な「返済期間を延長(リスケ)」できる可能性があるため、長期保有の際にもメリットがあるのです。
2.再開発・区画整理やインフラ整備などが行われるエリアの物件を購入する
大型再開発・区画整理や新駅・幹線道路などのインフラ整備がなされるエリアは、将来的に価値が高まる可能性があります。
新たに開発・整備されることにより、商業・工業が発展し、人口増加も想定できることから長期的な賃貸ニーズも期待でき、将来において価格が下がる可能性が低いエリアと想定できます。
これらは、国や自治体の都市計画などにより、将来のまちづくり構想が掲げられていますので、各自治体ホームページなどで確認することができます。
但し、単なる構想で実際には頓挫しているものもありますので注意しましょう。
また、少子高齢化に伴う人口減少問題に対し、若者や子育て世帯を呼び込む定住政策・支援策や、企業誘致など、様々な取り組みが行われています。
地方の方が人口減少問題に直面しているため、このような取り組みを積極的に行っている印象がありますが、積極的に取り組みがなされて活性化された地域は、将来の人口や賃貸ニーズの減少を低減する可能性が高いエリアと考えることができます。
一方で、大きく値上がりした都心部などの超人気エリアは、逆に価格が大きく下落するリスクもあるので注意が必要です。
3.工夫で甦る物件を購入する
難易度は上がりますが、たたき売りのように土地代相当や、場合により土地代相当よりも安い金額で売却される物件があります。
一般的には誰もが見向きもしない物件だから安いのですが、リノベーションなどの方法で工夫することにより、甦る可能性がある物件に出会うことがあります。
例えば、外観や室内が劣化して空室だらけの物件は、一般的には見向きもされない物件に該当します。
ところが、単に建物管理や入居者募集を適切に行っておらず、現在の賃貸ニーズとのギャップや建物デザイン・設備などの不一致、修繕やリノベーションすべきものを何もしていないなど、このようなことが原因で入居者が入らず劣悪化しているケースもあります。
入居者ターゲットに見合うリフォームやリノベーションを行い、適切に入居者募集を行うことで満室になるケースは少なくありません。
従来の設定家賃を値上げしても満室になるケースも多々あります。
このような物件を見つけ、安く購入して満室にすることができれば、リフォームやリノベーション費用を見込んでも高い利回りで安定収益を得ることができ、短期で売却することも可能です。
新築時よりも安いコストで新築並みの建物に再生できる方法です。
但し、築年数が古すぎると購入時の融資期間が短くなるなど、融資条件が厳しくなる可能性があるため、自己資金を多めに用意するなど、収支(キャッシュフロー)を見据えた資金計画が必要です。
一方で、法定耐用年数を超え、建物価格がほぼゼロの物件にある程度の予算をかけた大規模修繕やリノベーションを行うことで、その費用は資本的投資として新築時と同様の耐用年数で減価償却できます。
結果、金融機関によっては長期の融資を受けることが可能となります。
4.手ごろな価格の物件を購入する
1棟で高額・大規模な物件に投資するよりも、手ごろな物件を2棟に分散しておいた方が良いケースがあります。なぜなら、1棟当たりの金額が高くなればなるほど、物件を買える人が少なくなるからです。
例えば、2億円の物件よりは1億円、1億円の物件よりは5千万円の方が、買える人が増えます。買える人が多い方が売却は容易になります。
このように1億円ではなく、5千万円を2棟に分散することで、ポートフォリオ(分散投資)にもなり、安定経営におけるリスク対策にもなります。
また、1棟のみ売却するという選択肢も生まれ、賃貸経営における柔軟性が高まります。
まとめ
あなたの不動産投資が安定収益確保による長期保有が目的でも、実は出口戦略を考えて物件選びをすることが、結果として安定経営につながります。
売却による資金化が必要な場合でも、安定経営ができていれば、より売りやすい物件と言えるのです。
そのためにも、物件を購入する時から将来売却する時のことを考えて物件選びをすることが、失敗しない不動産投資につながります。
資産価値が維持でき、安定収益を確保することが継続的に可能なエリア・立地などの物件であることが大切なのです。
ところが、出口戦略を見据えて不動産投資を行うことは、常に不動産市況の情報や安定収益の確保を見据えた物件を見極める努力が必要となり、副業での不動産投資では、不動産投資の専門家などの経験者と比べ、時間をかけて知識・経験を得ることは現実的に困難です。
その解決方法として、物件を購入する際の業者選びが重要になります。
売って終わりの業者ではなく、あなたの不動産投資が安定収益を生むための長期保有に適した物件を紹介してもらうことが必要です。
管理会社の選択も安定経営を維持するために大切なパートナーとなります。
あなたの安定経営・出口戦略の鍵を握るの「良きパートナー選び」をすることで、失敗しない不動産投資が可能となるのです。