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会社員が不動産投資するなら売却益より安定収入を目指そう

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不動産投資と言えば、不動産を安く購入し、数カ月から数年で高く売れるタイミングで売却益(キャピタルゲイン)を狙う方法と、物件を長期所有して安定的な家賃収入(インカムゲイン)を継続的に得る方法があります。

このうち、売却益を狙う方法は、一見大きなメリットを受けられる不動産投資の形に見えますが、会社員の方が副業で行う不動産投資の手法としてはお勧めできません。

不動産価格は変動します。数年前と比較し、好立地の不動産価格は高騰しましたが、更に上昇し続けるとは考えにくいからです。

 

なぜ短期で売却益狙いの不動産投資は危険なのか?

現在の不動産価格は、金融緩和やマイナス金利節税対策による不動産投資が盛んに行われたことにより、価格が上昇しました。誰もが売却益狙いの不動産投資を実現出来た時代とも言えます。

しかし、この状況はいつまで続くのでしょうか?

不動産価格上昇の流れはいつまでも続くはずがなく、過去を振り返れば、バブル崩壊やリーマンショックなどで不動産価格が大きく下落する時代もありました。

現状の価格が高騰している状況から、更に価格が上がるとは考えにくく、下落すると考える方が無難です。

不動産を現在の取引相場よりも安く購入し、高く売ることが出来れば売却益は期待できますが、そもそも安く買える不動産情報をあなたが手に入れることは非常に困難です。副業で不動産投資を行っているレベルでは、安く不動産を購入することは限りなく不可能です。

そのような物件情報があれば、よっぽどのことがない限り不動産業者は自ら物件を購入し、高く売るはずです。

価格が上昇しているタイミングでは、自然と値上がりする訳ですから問題ないのですが、下落傾向にあるタイミングでは、売却益を目的とした不動産投資は危険です。

そろそろピークを越えて下落段階に入ることを考えると、短期での売却益を期待した不動産投資のタイミングではありません。

価格が高騰した現在の状況下では、値上がりを期待した売却益を得る不動産投資の方法は失敗する原因にもなります。

実際に、もうすぐ価格は下落すると予測する売却益狙いの経験者や業者は、じっとタイミングを待っているのです。

 

そもそも売却益狙いの不動産投資はプロや経験者の方法

不動産投資を積極的に行っている経験者は、家賃収入(インカムゲイン)を得ながら減価償却による節税効果を活用しつつ、最後は出口戦略(売却)によって売却益(キャピタルゲイン)を得る、という方法を主とした不動産投資を行っています。

また、不動産ファンドは投資家からお金を出資してもらい収益物件を取得し、収益を投資家へ配当しながら一定期間内に売却を行い出資金を償還します。

転売業者も、物件を安く仕入れて高く売るという事業スキームのため、短期での資金調達を行っており、売却して利益を出さなければ借り入れ返済もできません。

このように、売却益を狙った不動産投資とは、常に不動産市場を把握し、安く仕入れて高く売ることを短期間に繰り返さなければならないのです。

不動産価格が上昇している間は、短期間で大きな利益を生み出すことが出来ますが、不動産市況を読み間違えれば、大きな痛手を受けることになります。

よって、副業での不動産投資ではなく、プロまたは不動産投資を主とした事業者・経験者のスタイルと言えるのです。

 

宅建業の免許が必要

更に、物件の取得・転売での売却益確保を目的とした不動産投資の方法で、不動産の売買を反復・継続的に行うことは「宅地建物取引業」に該当するため、宅地建物取引業法の免許が必要となります。

 

バブル期のような過ちを起こしてはいけない

金融緩和や不動産投資ブームの影響もあり、不動産価格が上昇した結果、以前に所有していた物件をこのタイミングで売却することで、大きな売却益を得ることが出来ました。また、新規に不動産を購入した方でも、不動産価格が上昇していたために、すぐに売却益を得ることができました。
バブル期の不動産取引で言われた「土地ころがし」のように、買ってすぐ売るだけで大きな利益を手にすることがあったのです。

しかし、バブルがはじけた後の悲劇を忘れてはなりません。
潮目と言われる不動産市況の変わり目を読み切る必要があります。

バブル崩壊時には多くの不動産業者が倒産しましたが、それほどプロでも把握することが難しいのです。リターンも大きいのですがリスクも大きい不動産投資の方法です。

一方で、物件を長期所有して安定収益を確保する方法は、不動産市況の影響を大きく受けることはありません。なぜなら、家賃収入は不動産価格にあまり影響を受けることなく安定的だからです。

将来の安定収入や資産形成を不動産投資の目的としている会社員の方は、売却益ではなく、将来の安定収益を求める方法がベストです。

 

安い地方物件を買って高く売る?

地方に目を向けると手ごろな価格で利回りの良い物件が目につきます。
しかし、うっかり地方の物件を購入してしまうのは危険です。

現在、地方の物件は賃貸需要が少ないため、価格が上昇することなく、値下がりし続けていて、これからも値上がりが期待できそうにありません。

好立地物件と地方物件の二極化が起きています。

何らかの手法で物件価値を高め、収益性をアップさせることが出来れば「お宝物件」と言えるのですが、副業ではこのようなノウハウを持っているはずもなく、結果値下がりすると考えておくことが無難です。

 

あなたの不動産投資の目的は売却益?安定収益?

不動産投資の目的によって適したスタイルがありますが、会社員の方々が副業で不動産投資を考えるのであれば、売却益狙いではなく、将来の資産形成・安定収益の確保が目的ではないでしょうか?

だとすれば、売却益狙いで不動産を購入することは目的が異なります。

まずは、安定収益を得る方法で不動産投資を捉えて経験を積み、ある程度の余力や資産形成が出来てから売却益を狙う方法が賢明です。

 

まとめ:安定収益を重視すれば結果として売却益も狙える

現状の不動産価格が高騰し、下落段階に入ると推測されるタイミングでは、売却益狙いの不動産投資は避けるべきです。しかし、比較的安定している家賃収入は不動産価格の変動に大きく影響されません。

安定収益を確保する目的であれば、金利がまだまだ低い状況ですから、資金調達コストの低いタイミングで購入できるメリットがあります。

但し、キャッシュフローが適切に確保できていることがポイントです。早めに不動産投資による資産形成を行っておくことで、将来に向けてその分早期に返済を行っておくことができます。

不動産価格は長い年月の間で上昇・下落を繰り返しています。安定収益を目的に、じっくり構えた不動産投資を行い、将来的に不動産価格が上昇したタイミングで売却することにより、結果として売却益も得られる不動産投資が実現できるのです。

あなたが会社員で不動産投資を考えるならば、安定収益を重視した不動産投資を心がけてみてください。